小林製薬、シイタケ菌糸体のがん治療への効果を確認

      執筆者:編集部

小林製薬(株)は、島根大学医学部との共同研究において、シイタケ菌糸体が「がんペプチドワクチン療法」の効果を増強させることをマウスで確認した。「がんペプチドワクチン療法」は、無害ながん細胞の小さな断片(ペプチド)をワクチンとして投与し、「がん細胞を攻撃する免疫細胞(CTL細胞)」を増加させる最新の治療法で、副作用が少ないことが特徴。しかし、免疫細胞をブロックする「制御性T細胞」が多いと、「がんペプチドワクチン療法」の効果が十分でない場合があると考えられており、近年「制御性T細胞」を減少させる方法の開発が活発に行われている。このたびの同社の研究では、シイタケ菌糸体に、「がんペプチドワクチン療法」の効果を増強させる作用があることを、初めて確認することができた。これによりシイタケ菌糸体は、食品成分として「がんペプチドワクチン療法」の課題である「制御性T細胞による治療効果の阻害」を解決することで、同療法の治療効果を高める作用が期待できる。なお、この研究成果は12月9日に開催された日本バイオセラピィ学会のシンポジウムにおいて発表された。