【10月号】 江戸東京野菜の「商標登録」が決定した。

     

当研究会では「江戸東京野菜」の復活や普及に努めてきたが、「江戸野菜」や「東京江戸野菜」と呼ばれることもあった。 「江戸野菜」は、京野菜、加賀野菜等と同じ、伝統野菜としてイメージでの呼び方。「東京江戸野菜」は、東京における江戸時代の野菜と云うことだろう。また、「江戸東京野菜」にしても、江戸時代の農産物から今日、東京で栽培されている野菜まで全てを含んだ野菜と認識している方まで、色々であった。

「江戸東京野菜」の名称は、平成4年にJA東京中央会が発行、農文協が発売した「江戸・東京ゆかりの野菜と花」に起因している。

この本の編纂を担当したが、江戸から明治・大正・昭和の時代にゆかりある東京の伝統野菜を掲載した本だ。

 

我われの住んでいる東京は江戸と呼ばれた時代から東京になった今日までの歴史があり、栽培地の名前などが付いた野菜は、江戸から今日までの食文化を育んできた。

平成17年食育基本法が制定されてから、地産地消とあいまって、今日、土地の名前が付いた伝統野菜がわかりやすいと注目され、伝統野菜の復活やタネ探しが始まった。

教育現場では食育として栽培が始まり、それを給食で食べながら地域の歴史が語られる。

タネを蒔き、収穫したものを食べ、又そのタネを蒔くことで、遠い昔から今日までタネを通して、その命が繋がってきた野菜だから、遠い時代に思いを馳せることもできる野菜だ。

このような、情勢を背景に、JA東京中央会では、22年から「江戸東京野菜推進委員会」を設置してブランド化の協議を進めてきたが、23年7月15日にようやく商標が登録された。

 

同委員会では、江戸東京野菜の定義や品目を決めるための組織内の合意を得てきたが、9月22日の理事会で江戸東京野菜推進委員会が決定した原案を了承している。

この商標マークが付けられる野菜は、「江戸東京野菜推進委員会」が認証するものだが、江戸東京野菜の定義や品目については当研究会の意向も反映されたものとなった。

 練馬ダイコン、伝統大蔵ダイコン、亀戸ダイコン、高倉ダイコン、東光寺ダイコン、馬込三寸ニンジン、馬込半白キュウリ、寺島ナス、東京長カブ、金町コカブ、東京ウド、伝統小松菜、下山千歳白菜、のらぼう菜、しんとり菜、奥多摩ワサビ、足立の妻物、本田ウリ、黄金のマクワウリ、青茎三河島菜、滝野川ゴボウ、砂村一本ネギの22品目が第一回の決定となっている。

これは、在来の固定種が基本で、固定種の来歴が明らか、また、販売目的の生産者がいること等を確認したもので、今後、新たに確認された伝統野菜は随時協議され認証することになっている。

江戸東京野菜推進委員会 事務局(小野) 042-528-1371

 

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江戸東京野菜は、江戸からの伝統と季節を味わう野菜で、もちろん地場野菜です。

地方からやってくる季節の先取り野菜より、ずっと個性的です。 

(農産物の生育は天候に左右されますので、収穫予定は変わることがあります)

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