おいしさを追求する「おいしさの科学」創刊号

      執筆者:編集部

「おいしさの科学」が装い新たに復活した。同書は食をまじめに科学する専門書で貴重な資料でもある。創刊号では「ニッポンの食はねばりにあり」を特集している。日本のお米、なぜねばりがあるのか、きめ細かく記されている。お米に限らず粘りのある食品は多い。おいしさや栄養価はそのねばりに隠されている、ともいえる。山野善正氏(企画委員長)いわく、味覚、臭覚、触覚、視覚、聴覚の五感を通して得られる食べ物の喜びこそが生きることへの意志である、という。まことその通りである。昨今、食がまずくなったといわれるが、改めて食について考察できる機会を与えてくれた。同書の中に、野菜の版画が登場している。素朴な野菜が実に上手く表現されている。定価2500円、2011年9月12日初版、おいしさの科学 http://www.0143kagaku.com/