ビール4社 ノンアルコールビールテイスト飲料拡大

      執筆者:編集部

酒類市場で拡大を続け注目されるのがワインや低アルコール飲料、ウイスキーハイボール缶などの他に、アルコール度数0・00%のノンアルコール飲料だ。現在、ビールテイストをはじめ、カクテル、ワイン、梅酒、清酒までノンアルコール飲料は幅広く発売されており、2011年市場規模は前年比134%の2900万箱と見込まれている。特にビールテイスト飲料は1100万箱となり、12年は同119%の1380万箱が見込まれている。既にビール大手各社とも年末年始の需要増を見込んで増産体制を敷くなど強化しており、年間の販売計画も前年を大きく上回る。サントリー酒類の11年のノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」=写真①=販売数量は前年比293%の588万箱。昨年12月には中身・パッケージをリニューアルし、よりビールらしい味わいとすっきりした味わいを実現し強化した。今年の2月からは新CMを放送する他、100万本規模のサンプリングも実施する。販売計画は同119%の700万箱。 キリンビールは「フリー」=写真②=の11年販売数量が震災の影響などで前年比78.8%の410万箱となったが、昨年10月からはアメリカ西海岸でのテスト販売も始めるなど注力。今年1月からは味覚とパッケージを一新し、人口甘味料、合成香料、酸化防止剤を使用せず、従来通り麦芽100%麦汁を仕込み段階で使用することで、麦芽とホップの素材の恵みを生かした爽快なおいしさを実現した。インターネット、テレビCM、店頭などを通じた150万人無料サンプリングも実施する。12年の販売は同124%の510万箱を計画。 アサヒビールは2月21日から新ビールテイスト飲料「ドライゼロ」=写真③=を発売。カクテルテイスト飲料「ダブルゼロカクテル」は好調に推移しているが、先行発売したビールテイストの「ダブルゼロ」が失速し、一人負けの状況から抜け出すべく巻き返しを図る。独自技術により麦汁を使用せずビール成分を再現しているため、余分な甘味や雑味を押さえた。 サッポロビールの「プレミアムアルコールフリー」=写真④=昨年の販売数量が112万箱となった。今年の2月15日からは同品をリニューアル発売し強化。ファインアロマホップを一部使用し、原材料の配合を見直すことで、爽快な後味を実現した。年間テレビCMも昨年の2倍の9000GRP投下し、100万人サンプリングなどを実施。販売目標は前年比177%の200万箱を計画している。