ボージョレーワイン委員会「ブドウの成熱状況(原文)」

      執筆者:編集部

フランスのほとんどの生産地がそうであるように、2013年の収穫は、ここ10年の平均を見ても遅い。今年の天候状態は80年代と90年代に似ている。1983年は収穫が始まつたのが9月19日と遅かつたが、すばらしく高品質なヴィンテージである上に、熟成にも非常に適しているということが記憶に刻まれている。ここで明言したいのは、ぶどう畑における植物の成長サイクルの遅れは、その年のワインの品質的なポテンシャルに影響を及ぼさないということだ。現在、ボ一ジョレ一のぶどう畑の衛生状態は非常によく、理想的な天候状態が続いている。開花が始まったのは今年は遅く(6月19日頃)、開花期間の平均は約10日間、6月29日頃まで続いた。(ここ10年間の平均と同値)。7月は暑く、結実が始まったのは7月26日頃。7月、8月は特に日照量が多く、1992年の観測開始以来、最も高い数値となっている。ぶどうの色づきは8月17日頃に始まった。理想的な天候状態によるぶどう畑の良好な衛生状態が、ぶどうの品質の高さを予感させ、収穫が待ち遠しい。

ぶどうの成熟異合を見ると、収穫が始まるのは早熟のぶどう畑でほ9月20日から9月25日あたりと予想される。一房あたりのぶどうの実が少なめで小さく、収穫はここ10年の平均と比べると少ないと予想されるが、同様に収穫が少なかった2012年を少し上回る程度と見られる。現在の良好な天候状態がぶどうの成熱を助けており、品質の高いぶどうの収穫が期待される。ボ一ジョレ一の生産者たちは、最良の成熱状態のぶどうを収穫すべく、畑を見守っている。今年も約5万人が収穫に携わる予定。ボ一ジョレ一は、シャンパーニュ同様、手摘みによる収穫が慣習化されている類まれな生産地であることを思い出していただきたい。