【8月号】 府中市の伝統野菜「府中御用瓜」の復活に向けて助走が始まった。

     

都立園芸高校でマクワウリの収穫が始まった。早く植えた畑では収穫が終わったところもあるが、農家ではこれからというところもある。

家康が江戸に来て以来、将軍家が召し上がる上納地は、江戸周辺の農村や漁村に作られていた。
魚は、御菜肴八ケ浦として、金杉浦・本芝浦・品川浦・大井御林浦・羽田浦・生麦浦・子安新宿浦・神奈川浦や本牧浦などの漁村から上納されていた。
鮎は多摩川から、小金井には御用栗(クリ)、御前栽畑は葛飾郡隅田村に、マクワウリは元和年間(1615~1624)に、江戸柏木の成子の御前栽で鳴子瓜を栽培し上納したと、「江戸町方書上」に記されている。

また、府中の御瓜田には諸説があるが、元和三年(1617)には栽培されていたという。
美濃国の上真桑村の百姓庄左衛門と、下真桑村の百姓久右衛門の二人を呼んで、府中三町(番場、本町、新宿)と是政の地で、連作障害から守る意味で、毎年畑を変えながら作らせた。
二人は2月初めに美濃から府中にやってきて、竹矢来で囲まれた畑の隣に小屋を建て、御用瓜とか葵瓜の立札を立てて栽培した。

将軍家に上納した後、8月末には美濃に帰るというものだった。
その後、美濃と府中を半年ごとに行き来するのは大変だとして、府中に住み着いた。

享保2年(1717)の記録によると、上納した量は、江戸城本丸へ1千個、西の丸に5百個とある。
また元文5年(1740)には、瓜の早作り試作地(促成栽培試験農地)が設けられ、栽培技術や品種改良技術の向上に役立っている。

今年6月の「府中環境まつり2012」府中商人塾では、「まくわ瓜 グリーンカーテン プロジェクト」を展開するため、市民にマクワウリの苗を配布しており、間もなく収穫期を迎えようとしている。

8月5日には、小金井で、本田ウリと黄金のまくわうりの食べ比べが行われる

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