明治「日本栄養・食糧学会大会」で技術賞を受賞

      執筆者:shirai

明治は「第71回 日本栄養・食糧学会大会」(開催期間:5月19日~21日)において、免疫調節作用に着目したヨーグルト(OLL1073R-1株で発酵したヨーグルト)の開発と生理効果の応用展開などの一連の研究が評価され「技術賞」を受賞した。
同賞は、栄養科学または食糧科学の発展に寄与する産業上の技術開発に授与されるもので、公益社団法人 日本栄養・食糧学会が毎年表彰している。
同社は日常生活からの疾病予防・健康管理の重要性が増していることを受け、免疫力を高めるヨーグルトの開発を目指すなか、保有する4000種類以上の菌株の中から、ナチュラルキラー(NK)細胞(※1)を活性化させる多糖体(※2)を産生する乳酸菌Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1(以下OLL1073R-1株)を見出した。
OLL1073R-1株で発酵したヨーグルトは、継続摂取によりNK活性(※3)が低い高齢者のNK活性を高め、風邪やインフルエンザにかかるリスクを減少させる(Seiya Makino et al.
British Journal of Nutiriton 2010)他、インフルエンザワクチンの接種で作られる抗体を増やす可能性が示された(食品免疫学会 第10回学術大会)。
また、「夏バテ」に対する効果を応用展開として検証。30歳以上50歳未満の男性で、毎年夏バテの症状を自覚している50名を対象に試験を実施、2015/7/4~9/25の12週間の連続摂取後、夏バテの症状である全身のだるさ、疲労感などの自覚症状のアンケート調査を行い、Visual Analogue Scale(VAS)(※4)によりスコアを集計した結果、OLL1073R-1株で発酵したヨーグルトの摂取は夏バテの代表的な症状である全身の疲労感やだるさを軽減することが示唆され、体調管理に有用であり、人々の生活の質の向上に寄与する可能性が示された。

【内容】
■受賞研究
「免疫調節作用に着目したヨーグルトの開発と生理効果の応用展開」
■受賞者名
逸見隼、牧野聖也、狩野宏、浅見幸夫

(※1)NK細胞:
免疫細胞の一種で、ガン細胞やウイルス感染細胞など、異常な細胞を攻撃・破壊することが知られている。
(※2)多糖体:
糖分子が数多くつながった高分子のことを指す。乳酸菌などの微生物が産生する他、一般的にキノコや海藻、野菜などの食品に含まれる。
(※3)NK活性:
NK細胞がガン細胞を攻撃・破壊する能力を指す。NK活性は20歳前後をピークに、年齢とともに低下することが知られている。また、精神的ストレス、不規則な生活、激しい運動などによっても低下することが知られている。
(※4)Visual Analogue Scale(VAS):
100mmの水平な直線上に、症状の程度について被験者に印をつけてもらい、その長さをもって症状の程度を数値化する手法。

【この件に関するお問い合わせ先】
[会社名]株式会社 明治
[部署名]広報部
[担当者名]堤 祐介
[TEL]03-3273-0700
[Email]meiji.kouhou@meiji.com