健康ニュース 号外 週刊誌報道に思うこと

     

およそ2カ月近くにわたり週刊S誌が、「食べてはいけない国産食品」というキャンペーンをやっています。小子は例によって過激報道がまた始まったのか、という程度に思っていました。週刊S誌を買うことはもちろん、本屋などでの立ち読みもしていませんでした。

しかしS誌が継続してこのキャンペーンを続けたのが引き金となったのでしょうか、週刊B誌が、「S誌の食べてはいけないは本当なのか?」という内容で反論を述べ始めたことを新聞広告欄で知りました。S誌もB誌も取るに足らない内容だろう、ということで手に取ったことはありませんでした。

 ところが弊誌「健康美容ニュースbyミッチー・ウエリー」の長年の読者数名の方から、「あの二つの週刊詩に書いてあるのは本当なの?」「2誌の言っていることは全く正反対だけどどっちが正しいの?」というような声が相次いで届きました。

一匹狼の食生活ジャーナリストとして黙秘できないと考え、先週発売の両誌を買い求め読んでみました。内容は小子の想像通り科学的に納得できると言ったことからはあまりにもかけ離れています。

S誌には、「味覚破壊トリオ」「加工食品診断士協会、代表理事安倍司氏」とかもっともらしいと言いますか、分かりやすい単語が再三出てきます。

味覚破壊トリオとは、タンパク加水分解物、化学調味料、酵母エキスの3種を 言うらしいのですが、これらを含んだ食品を食べ続けると、味覚障害を引き起こす可能性がある、と言っています。どれぐらい食べ続けると味覚障害になるとは書いてありません。が塩分に鈍感になり摂取量が増え、高血圧などになるリスクが増大になる、など本当のことも書いてあるゆえ、多くの読者はこの記事を信用してしまうのではないでしょうか。味覚破壊トリオを摂取しなくても、塩分摂取が増えると高血圧の引き金になることは誰でも知っていますが。

加工食品診断士協会?どんな協会なのか調べてみました。本年3月に設立された代表は安倍司氏。安倍氏といえばひと昔ほど前に出た「食品の裏側」の著者です。小子は「市民に不安を一方的に与えた書物」と思っていますが・・・。

B誌の言っている、どんな食べ物にも摂りすぎると健康を害する。量を抜きにして安全性を語るのは意味がない、という主張は的を射た主張といえます。

マーガリンやケーキなどに含有されるトランス脂肪酸もしかり、ハムなどの亜硝酸ナトリウム含有食品も日常生活では考えられない量を毎日のように摂取せると、健康被害が発生するのは当然なことでしょう。

「過剰摂取すると害が出る」ということと「適量を毎日食べ続けると害が出る」ということはイコールではありません。我が国の食品添加物配合に関しては、一生涯食べ続けても安全という厳しい数値が設けられています。1日に十数種類の食品を摂ったとしても安全という厳しい基準をメーカーは順守していますので安心して良いでしょう。

週刊誌は、タレントや政治家のスキャンダル報道から、高齢者を対象とした健康問題、老後生活の不安をテーマにシフト替えし始めたのでしょうか。介護や老後の不安など、増え続ける高齢者を標的にした記事報道は今後も増え続けると思います。

オレオレ詐欺に引っかからないようにすることと、週刊誌の記事に反応し従来の生活を変えるとか、特に食に関して記事内容をすぐ信用し行動することのないようにしたいものです。もちろんテレビの健康番組の内容にも、第三者的な見方をしなくてはなりません。