健康ニュース 10月1日号 飲んではいけない薬?

     

隣家のインテリ夫人「父がどうしたら良いのか迷っています。血圧が高いということで、病院で出された血圧降下剤を飲んでいたのですが、買ってきた週刊誌に飲んではいけない薬とあったらしいのです。どうすれば良いのでしょうか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「それは困ったものだね。結論から言おう。かかりつけの医師が出した薬だろうから、飲み続けるのが良いだろうね。どうしても心配ならばその薬を処方してくれた医者に質問すればいい。それもできないというならば別の病院を選ぶか、薬剤師に相談することだね。それにしても最近の週刊誌やテレビ番組の健康に関する報道は百害あって一利なしだ。だんだん酷くなっていく気がして仕方ないよ」

隣家のインテリ夫人「でも全くの嘘を書いたり、放送したりはしないのではないですか。素人の私たちにとっては、参考にしたくもなりますわ。先生はどういう点が気に入らないのですか」

隠居中の大御所 暈穀菜「わしの個人的見解よりもある専門誌に掲載されたDr・小田倉の寄稿文を紹介しよう。彼は、どんな薬にも副作用(リスク)はある。その一方で薬を飲むことによって得られる効果があるのも間違いない。副作用よりも効果の方が大きい場合は、やはり薬を飲むべきと言っている。週刊誌などがマイナス面(副作用など)のみを強調することは良い伝え方とは言えない。これぐらいのことは君だって理解できるだろう。さらに飲んではいけないというような断定的な言い方は、すべての患者さんに当てはまるという印象を与えてしまうため、良い伝え方とは言えない、と述べているよ。ワシも全くその通りだと思うがね」

隣家のインテリ夫人「おっしゃることは良く理解できますわ。でも書いてあることや放送されたことが、自分に当てはまっているのではないかなぁ、という不安を持っても仕方ないですよね。多くの人たちは多分そうだと思います。頭から否定されますが、現実は不安なのですよ」

隠居中の大御所 暈穀菜「その通りだと思うよ。患者は自分の病気についていくら調べて勉強しても、その病気の専門家ではないからね。その弱みに付け込んで週刊誌を買わせ、テレビの視聴率を上げようとしていると言ったら言い過ぎかな。ワシは言い過ぎではないと思うがね・・・。最初に言った通りどんな薬にも、たとえ漢方薬にも副作用はある。これは誰もが認めている。重視すべきことは、その薬をどのような患者は飲まないほうが良いのか、また飲むべきなのかは、専門の医師にしかわからない。高血圧治療薬を飲んだから副作用が出た、という記事や報道の多くは、患者の体験談として取り上げられていることが多いが、これは少数の体験であり、多くの患者に副作用が出たという具体的なデータ(科学的根拠)は全く示されていないし、根拠も示していない。もしかしたら薬以外が原因かもしれない。報道の多くは、〇△医学博士、●◇教授など匿名の場合もあるし、こういった情報を鵜呑みにしないほうが賢いと思うよ。何でもかんでも鵜呑みにする者は、オレオレ詐欺に引っ掛かりやすいから注意しなさい。それよりも二日酔いに効くというサプリメントを確かめたい。今夜は月を見ながら旨い冷酒を目一杯飲もうよ!」