矢野経済「食品製造業の自動化 省人化調査」

      執筆者:編集部

矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は国内の食品製造業の自動化・省人化の取り組みや食品製造・加工機械メーカー、エンジニアリング会社の技術開発動向を調査し、将来展望について発表した。食品製造業は他の製造業・産業に比べて、人手依存が高い業界である。しかし、深刻な人手不足を背景に、ロボットの導入、機械導入による自動化、IoT・AIなどの技術導入による省人化を検討する企業は徐々に増えている。ロボット導入による省人化というと、お弁当のトッピングプロセスの自動化などがフォーカスされることが多いが、この工程はまだ技術的な課題が山積しており、実用化には時間を要する。一方、食品製造の下流工程(パッケージング、段ボールへの箱詰め、パレタイジングなど)においては、徐々にロボット導入が進んでいる。このように、導入可能な工程から省人化を進め、人手でないと対応できない工程に従業員を配置することが有用である。そして、食品業界自体がロボットに慣れていき、どのような工程にロボットを活用できるかを自分たちで考えられるようになっていくことが、食品業界におけるロボット導入・省人化を更に進めていくためには必要であると考える。国内食品メーカーの工場を対象としたアンケート調査によると、回答企業のうち、過半数に当たる50.4%が「ロボットを既に導入済」であると回答した。2017年に実施した調査結果では「ロボットを既に導入済」と回答した企業は36.8%、13.6ポイント上昇した。ロボットを導入している具体的な製造・加工プロセスについては、箱詰め・包装・パレタイジングなど、食品製造の後(下流)工程において導入している事例が多いという結果になった。