SOMPO他4社「農作物卸・中間事業者向け支援」開発

      執筆者:motoe

SOMPOホールディングス(グループCEO取締役代表執行役社長:櫻田謙悟、以下「SOMPOホールディングス」)と損害保険ジャパン日本興亜(代表取締役社長:西澤敬二、以下「損保ジャパン日本興亜」)、SOMPOリスクマネジメント(代表取締役社長:布施康、以下「SOMPOリスク」)、日本ユニシス(代表取締役社長:平岡昭良、以下「日本ユニシス」)は、フードチェーン上で農作物を仲介する卸・中間事業者向けの「安定調達・安定出荷」支援サービスおよび保険の開発に連携して取り組むことに合意。同サービスは、各社がこれまで蓄積してきた気象リスクに対する保険引受けやリスクマネジメントサービス、フードチェーン分野におけるデータシステム連携、行政や民間企業が保有する各種データを活用した AI による需要予測などの知見を融合して開発していくという。近年、女性の社会進出や単身世帯の増加、高齢化の進行、生活スタイルの多様化等を背景に、これまで家庭内で行われていた調理や食事を家庭外に依存する「食の外部化」が進み、加工・業務用農作物の需要は増加しており、また、消費者の利便志向に対応し、フードチェーンも、カット野菜など、利便性提供型の供給システムへと変化。加工・業務用農作物の供給には、「定時・定量・一定品質・一定価格」が求められている。このような状況において、産地と実需者(加工や小売り)を仲介し、実需者のニーズに合わせて安定的な供給を行う中間事業者(商社や卸業者、納入業者、食品加工メーカーなど)が、フードチェーンにおいて果たす役割は大きなものとなっているが、一方で、農作物は工業製品とは異なり、生産量・需要量の双方が気象などの要因により常に変動することから、生産サイドにおける収量・品質・収穫時期などの変動リスクと、需要サイドのニーズの変動リスクの双方を中間事業者自らが負っており、その経営リスクも大きくなっているのが現状。中間事業者は、複数の契約産地(ほ場)の生育状況の把握と、実需側のニーズに応じた調達確保のための調整に多大な労力を要しているほか、予定していた調達が確保できない場合は、本来想定していなかった調達先から損失覚悟で調達を行うケースもある。そこで、SOMPOホールディングス、損保ジャパン日本興亜、SOMPOリスクおよび日本ユニシスは、これまで未整備であった生産サイドと需要サイドの情報統合・連携を行い、中間事業者の安定調達・安定出荷を支援するサービスおよび保険の開発に取り組むことになったという。同サービスの開発にあたっては、生産関連データから需要データまで、フードチェーンに関連するデータを幅広く集約。これらのデータと日本ユニシスのデータ・AI サービス「RinzaⓇ」のナレッジを活用し、農作物収穫量・品質・収穫時期予測モデルと需要予測モデルを開発する。同サービスでは、これらの予測モデルから、中間事業者に対し、収穫や需要の予測情報を提供し、中間事業者による産地の収穫時期と実需のタイムリーなマッチングや、最適化のための生産サイドと実需サイド双方への働きかけを支援するもの。また、損保ジャパン日本興亜は、異常気象などの不測の事態により、中間事業者が産地(ほ場)から農作物を調達できなくなった場合の代替調達にかかる費用を補償する保険を提供し、中間事業者の経営の安定化を支援する。これらにより、中間事業者によるフードチェーン最適化、安定調達・安定出荷の実現を目指すという。損保ジャパン日本興亜とSOMPOリスク、日本ユニシスは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が研究代表である、国立研究開発法人情報通信研究機構の委託研究(以下「NICT委託研究」)に参画しており、今後は、中国四国地域を中心に、本サービスの共同開発に向けた実証実験を実施予定。また、4社は、NICT委託研究と並行して、他地域の中間事業者の方々とも実証実験を行い、本サービスの社会実装に向けた取り組みを加速していく意向だ。