新規就農した際、僕には畑がなかった。

     

先月の記事でも書きましたが、私は非農家出身で尚且つ京都府南丹市に縁者がいたというわけでもありません。

なので、人も物も金もまったく0からスタートしたわけです。

本来、就農となると、農業大学校などが提供している研修を経て、ある程度「地の知識」や「地の習慣」を学んだうえでなるですが・・・。

私には農業大学校に研修する時間とお金がありませんでした。

厳密に言うと、20代の大切な時間を使い、一刻も早く就農がしたかったと言うべきでしょうか。
(今となっては少しだけ後悔してるかも・・・?)

ただ、就農をするとなっても、生活するためにお金は稼がないといけないわけで、利用した制度が地域おこし協力隊でした。

この制度を詳しく紹介するのはまた後の記事になりますが、つまるところ、地域創生のための仕事を嘱託で請負、それに対する報償を自治体及び総務省が負担してくれるというものです。

何はともあれ、僕は地域おこし協力隊制度を利用する形で取り合えず安定した収入源を確保しながら、就農しました。

 

しかし、うまくいかない。
当たり前ですが。

そもそも、畑がありませんでした。
僕は畑なんてどこでも空いているもんだろうと思ってたのですが、甚だ見当違い。

良い畑なんて空いているわけがない。

都会人の考えている農地が空いてきているという固定観念はまったく間違いであることを痛感します。

つまるところ、耕作放棄地と呼ばれる場所は耕作放棄されるべくしてされたというわけですな。

 

後から知った話ですが、新規就農者のほとんどがこの段階でつまづいてしまうそうです。

畑が見つからず諦めるパターンか悪い畑で就農してしまったがために失敗続きとなる・・・といったような感じです。

 

京都丹波は米どころではありますが、決してさつまいものような、火山灰土を好む作物に向いている土壌ではありません。

悪い畑で妥協をしてしまえば失敗は必至。

さて、どうしたものかと考えたわけです。

 

私は農業委員会に行くのをやめ、ある農家さんのところに通いました。

役所が把握しきれていない、空いている良い畑がある。その情報は現場にあると踏んだのです。

最初から土地を探しているというのではなく、何度も何度も足を運び、時には畑の雑用を手伝いながら信頼感を得ていきました。

そして、そんなある日、

「吉田くん、ここの畑やらんか。」

そう言われたのです。

紹介してもらった畑は広さも手ごろで日当たりが良く、依然はバラ園であったことから畑地整備されている畑でした。

こうして私は農地を手に入れることができ、晴れて営農を開始できるようになったというわけです。

 

田舎はネットリテラシーの少ない人も多く、一見すると情報に疎いと思われがちです。

しかし、地域のことなどを限定すると、その情報量は役所の方々やその道のプロを遥かに凌ぐほど有していることも少なくはないです。

もしも、この記事を見ている人で、農地に困っている方がいらっしゃいましたら、是非とも近隣の有力農家さんに足を運んでみてはいかがでしょうか・・・?