目標7: 【エネルギーをみんなにそしてクリーンに】

     

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

 

 

 

 

 

目標1(貧困をなくそう)~目標6(安全な水とトイレ)まではMDGs(ミレニアム開発目標)を引き継いだ目標ですが、目標7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)以降は、SDGsが新たに定めた目標となっています。

また、この目標のベースとなるものが、SE4All(Sustainable Energy for All:万人のための持続可能なエネルギー)で、2011年、当時の国連事務総長(潘基文氏)が,「エネルギーは全ての国の経済開発の根幹にある」として提起されたものでした。

潘氏は,「エネルギーは,経済を成長させ、社会的公正を高め,世界の繁栄に結びつける『金の糸』であり,SE4Allの目標に向けて,政府,経済界,市民団体などの、すべての関係者の間での連携が不可欠である」と述べられ,これが、7番目の目標としての「持続可能なエネルギー」として引き継がれています。

一方で、そのような重要な項目であると同時に、エネルギー問題は、国家の経済発展のための根幹としてだけではなく安全保障問題でも欠かせない課題でもあるために、エネルギー問題が紛争状態や戦争状態を作りだしてしまうという厳しい現実も避けては通れません。

 

さて、エネルギーとはいったい何かを見てみましょう。

エネルギーとは?

エネルギーには、「1次エネルギー」と「2次エネルギー」の2種類があると言われています。1次エネルギーは大まかにわけて3種類あり、化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)や原子力、水力、風力、地熱発電などで、エネルギー供給“源”としてもこの3種類しかありません。また、これらは、加工されない状態で供給されるエネルギーでもあります。これに対して2次エネルギーとは、一次エネルギーを加工して作られる電力やや石油製品(ガソリン・灯油・軽油など)や都市ガスなどのことです。実は、これらは天然資源としては産出されない1次エネルギーを原料として生産されるものです。

日本国内で生産されるエネルギーはわずか11.8%でしかなく、海外からの輸入が9割近くを占めている厳しい現実があることは理解しておいた方がよさそうです。

 

水素エネルギーとは?

では、今、新聞やテレビでよく見かけるブームの水素はどのエネルギーに分類されているのでしょうか。実は、水素は「1次エネルギー」ではなく「2次エネルギー」に分類されています。1次エネルギーの加工段階で排出される二酸化炭素をどのように処理するかで、「ブルー水素」、「グリーン水素」、「イエロー水素」「ピンク水素」などと区分されています。今、二酸化炭素の吸収技術*は画期的な進化(*「DAC(Direct Air Capture)」、「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(二酸化炭素の分離・回収、有効利用、貯蓄)技術)」を遂げていますが、水素関連ビジネスはコスト高問題の解決も含めて、今後大きな期待がかけられるでしょう。

 

再生エネルギーとは?

再生エネルギーの利用は、カーボンニュートラルを実現する上でも、企業としても避けて通れない課題となっています。さて、その再生エネルギーとはいったいどのようなエネルギーを指しているのでしょうか。

再生エネルギーとは、上記の太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、水力発電、地熱発電に加えて、空気熱、海洋温度差発電など様々なエネルギーがあります。(資源エネルギー庁)

まだ、世界全体のエネルギー消費のうち再生エネルギー利用率は2016年段階では17%しかありませんが、カーボンニュートラルを目指して、多くの企業では、脱酸素経営を目指した再生エネルギー利用にシフトが進められてきます。サプライチェーンとしても取り組まざるを得なくなることは間違いありません。

 

SE4All(Sustainable Energy for All:万人のための持続可能なエネルギー)は、2030年までに、①現代的エネルギーの普遍的アクセス達成(ターゲット7.1)、②世界全体のエネルギー効率の改善ペース倍増(ターゲット7.3)、③世界全体での再生エネルギーのシェア倍増(ターゲット7.2)と3つのアグレッシブな目標を掲げています。

この目標7については、実現のためには電池の開発も同時にビジネスチャンスがあり、日本企業の固有技術がその力を発揮できる分野かもしれません。

 

目標7と他の目標との関連

 エネルギー問題は、他の目標とも深い関連性があります。たとえば、サトウキビを原料としてバイオマスは食糧供給とのバランス、アブラヤシの原料から作るパーム油は森林でのプランテーション開発との問題など、トレードオフを担保するために、森林管理の認証(FSC)

や持続可能なパーム油の生産と管理を促進するRSPOなどの国際認証を利用すること進められています。

 

目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに ターゲット一覧

7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

 

7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。

 

7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

 

7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。

 

7.b  2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。