1956年一橋大学卒、同年現池袋パルコ入社、1976年サンチェーン代表取締役社長、 1989年ダイエーコンビニエンスシステムズ代表取締役副社長、1995年ローソン相談役、 1999年ローソン親善大使。現在ソフトブレーン・フィールド(株)特別顧問。 1992年(社)日本フランチャイズチェーン協会常任理事、副会長を歴任 。鹿児島出身 |
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鈴木貞夫氏(すずきさだお) | ||
【3月号】 |
<コンビニ創業戦記>第22回
<サンチエ―ン・ダイエ―グル―プ時代(その4)> 私は、昭和57年初め、サンチェ―ン創業6年、ダイエ―グル―プ入り2年目を迎えるに当たり、 「我々を取り巻く環境は大きく激変し、マクロの面でも、ミクロの面でも、『BIG CHANGE』を迎えている。このような『BIG CHANGE』は、当然ながら企業にとって大きなリスクを齎すが、同時に我々が、これに主体的に、先見的に、挑戦し、適応していくならば、『BIG CHANCE』となし得る。 今こそ、それに勝ち抜くための『BIG CHALLENGE』が要請されている。 サンチェ―ンにとって、昭和57年度の持つ意義は、 『サンチェ―ンの生存条件と成長条件の確保』のためのシテイ・コンビニエンスの実現にあり、その意味で、今年の経営テ―マを『挑戦の年=商品の年』と定める。」として昭和57年度年度経営基本方針を、次ぎのように明示した。 昭和57年度 経営基本方針 企業基盤の強化確立のためには、収益力向上が何よりも不可欠である。 従来から、「商人としてのしつけ・サンチェ―ン・ビジネス・アティチュ―ド向上運動」、「マニュアル整備と活用運動」、「お客様の顔と名前を覚える運動」などを全社的に積重ねてきていたが、57年度からは、特に「店頭における商品力強化運動」を重点的に展開することとしたのである。 いうまでも無く、「商人とは商品を売る人」であり、商品充実・商品力向上無くして小売業の存在意義はない。 サンチェ―ンマンは未熟な素人集団ではあったが、それだけに、生活感覚に根ざした深い商品知識を身に付ける努力を、組織的に、情熱を込めて、地道に進めていかねばならない。 そのためには、何よりも先ず、商品に関するサンチェ―ンの基本的な思想・考え(マ―チャンダィズ・フィロソフィ)が明確にされていなければならない。 そして、本部及びお店の品揃え、仕入れ、販売業務が、その基本的な考え方に基付いて、一貫して行なわれていく事が必要であり、そのことによって、「サンチェ―ンの個性・スペシャルティが強く打ち出されていくのである」と考えた。 MAPSの導入 サンチェ―ンの商品に関する基本思想を明確化し、日常業務の基本軸とする事を通じて、サンチェ―ンのコンビニエンス生活提案=シテイ・コンビニエンス実現のための基本実践書として、下記の如く、「MAPS」(=マ―チャンダイジング・アソ―トメント・プリンシプル・オブ・サンチェ―ン)を衆議を重ねて、設定した。 サンチェ―ン MAPS コンセプト MAPSは、サンチェ―ンのマ―チャンダイジングの基本コンセプトであると共に、一店一店の品揃えの基本であり、売場面積をより効率的に活用し、お客がお買い物し易く、チェ―ンとしてのイメ―ジ向上につながり、それにより売上・利益を伸ばせるように、売場管理の指針ともなるものである。 その意味で、個店の最適品揃え、即ち、「個店MAPS」の実現を目指すものでもあった。 「個店MAPS」とは、そのお店の、その地域における、その時点での最適のシテイ・コンビニエンス生活提案であり、そのお店、その地域の、その時々のお客様に対するシテイ・コンビニエンス生活提案が、「個店MAPS」でなければならない。 そして、それは絶えず修正され、調整され、変化していくべきものである。 従って、ただ単に、MAPSを導入実施する事が目的ではなく、導入後の個店の棚割り、品揃えを維持し、欠品をいかに無くしていくか、が重要課題であった。 MAPS思想の全社的な共有と浸透を、あらゆる会議やミーテイングを通じて図りながら、店舗に於ける棚割り維持作業をサポ―トするサンチェ―ン「ATLAS」システムの導入・定着とヴァ―ジョンアツプ、即ち、「受発注システムの改善」、「オ―ダ―ブックの改善」、「商品情報などコミュニケ―ションの改善」などを、同時進行で、懸命に、次々と推進していった。 (以下次号) |
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