1956年一橋大学卒、同年現池袋パルコ入社、1976年サンチェーン代表取締役社長、 1989年ダイエーコンビニエンスシステムズ代表取締役副社長、1995年ローソン相談役、 1999年ローソン親善大使。現在ソフトブレーン・フィールド(株)特別顧問。 1992年(社)日本フランチャイズチェーン協会常任理事、副会長を歴任 。鹿児島出身 |
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鈴木貞夫氏(すずきさだお) | ||
【6月号】 |
<コンビニ創業戦記>第25回
<サンチエ―ン・ダイエ―グル―プ時代(その7)> 「サンチェ―ンのメセナ活動(その1)」 今回は、「サンチェ―ンのメセナ活動」について、振り返っておきたい。 私は、かねて社会貢献及び文化・芸術支援の活動への強い関心を抱いていたが、創業当初は、それを具現化する余裕は全くなかったといっていい。 しかし、創業して2年目、店舗数が100店舗を超え、ご来店、お買い物してくださるお客様が1日に5万人から10万人を超えるようになってくると、それぞれの店頭を通じて、「ささやかながら地域社会のお役に立つことが、我々に出来ないだろうか」と、考えるようになった。 「メセナ」と云う言葉は、企業の行う芸術文化支援活動を含む、広義の社会貢献活動として、一般的に使われていくのは1990年代のことだと思うが、企業の社会的貢献の必要性については、既に広く注目されていたからである。 ●「サンチェ―ンの社会貢献活動」 サンチエ―ンの企業としての社会貢献活動の第一歩は、森繁久弥さんの「あゆみの箱」募金運動に全店参加することから始まった。 昭和54年(1979)半ば、ちょうど創業2年目、店舗数が150店舗ほどになった頃、俳優の森繁久弥さん、伴淳三郎さんたちの呼びかけで全国的に活動し、注目を浴びていた社団法人「あゆみの箱」による募金活動に参加させていただくこととしたのである。 それから以後、サンチェ―ンは、全ての店頭で寄せられたお客様の善意の浄財を、日本全国の心身障害児施設に、毎年寄付していくことになる。 社団法人「あゆみの箱」からは、寄付のたび毎に感謝状を頂いた。 このサンチエ―ンの精神は、合併後の「新ロ―ソン」にも脈々と引き継がれて、平成4年(1994)には、(社)国土緑化推進機構の協力の下に、全店頭での「ロ―ソン緑の募金箱」に進化し、全国47都道府県の地域社会を「豊かな緑の街」にするため、公園、学校、水源地、災害地などでの植樹活動を継続・推進・拡大して現在に至るのである。 今、ロ―ソンはコンビ二業界の中でも、最も先進的な「省エネやCO2対策などの地球環境保全活動」に力を入れているが、その淵源はサンチェ―ンにあると云っても過言ではないだろう。 ●「サンチェ―ンの若者文化支援活動(1)」 時代最先端の「シテイ・コンビニエンスの創造と提供」を標榜するサンチェ―ンは、 24時間市場開拓の先駆者的存在であったから、圧倒的に若者顧客に支持されていた。 若者文化こそ、時代の先端の価値観、時代の空気を先取りしていることが多い。 そのシンボルは、何と云っても音楽であろう。 サンチエ―ンの若者文化支援の第一弾は、「宇崎竜童のワンマンショ―」から始まる。 昭和58年(1983)1月、サンチェ―ンは、本格的な消費者プロモ―ションとして、初めての特別コンサ―ト「I am a Rock.宇崎竜童&R.U.6 宇崎竜童ワンマンショウ」 を、 東京芝郵便貯金ホ―ルで文化放送の協力の下、2日連続で開催、若者を主たるタ―ゲットとするビ―トの利いたロック音楽で大盛況となった。 宇崎竜童は、「港のヨ―コ・ヨコハマ・ヨコスカ」で大ヒツトし、歌手としても、 俳優としても人気抜群のロック歌手であったし、現在も現役ア―チストとして活躍している。 第二弾は、「サンチェ―ンスペシャル・松田聖子コンサ―ト」である。 昭和58年(1983)5月、大阪厚生年金会館で、「サンチェ―ンスペシャル・松田聖子コンサ―ト」を開催、若い女性フアンなどで会場は溢れかえったのである。 云うまでも無く松田聖子は、1980年代を代表するアイドルであり、デビュ―曲の『青い珊瑚礁』はミリオンヒツトとなったが、当時はまさに、全盛期を迎えていたトツプ・スタ―であった。 第3弾は「薬師丸ひろ子・原田知世ジョイント・コンサ―ト」である。 昭和59年(1984)7月、ニッポン放送とのタイアツプによる「サンチェ―ンスペシャルイベント薬師丸ひろ子&原田知世ジョイントコンサ―ト」が、日本武道館で1万人のお客様をご招待して、大盛況裡に開催された。薬師丸ひろ子、原田知世は共に、1980年代の角川映画の看板女優で、普通の女の子がアイドルになったと評判されたタレントであり、大いに 人気を呼んだ。 第4弾は、同年8月、「サンシャインコンサ―ト・早見優と竹本孝之」を大阪フェスティバルホ―ルで開催。 次いで第5弾として同年9月に、仙台で、「白井貴子&杉や目清貴とオメガトライブ・ビッグジョイント・コンサ―ト」を開催していく。 何れも、それぞれの地域の若い、熱心なミュ―ジックフアンに、大変な好評を頂くことになった。 (以下次号) |
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