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鈴木貞夫のインターネット商人元気塾
鈴木貞夫のインターネット商人元気塾【バックナンバー】

鈴木貞夫

1956年一橋大学卒、同年現池袋パルコ入社、1976年サンチェーン代表取締役社長、


1989年ダイエーコンビニエンスシステムズ代表取締役副社長、1995年ローソン相談役、


1999年ローソン親善大使。現在ソフトブレーン・フィールド(株)特別顧問。


1992年(社)日本フランチャイズチェーン協会常任理事、副会長を歴任 。鹿児島出身

鈴木貞夫氏(すずきさだお)
1934年1月3日生

【6月号】


<コンビニ創業戦記>第37回
・・ロ―ソンのル―ツ「サンチェ―ン創業物語」・・

<サンチエ―ン・ダイエ―グル―プ時代(その19)>
――シテイ・コンビニエンスへの挑戦(17)――

「サンチェーン創業満10周年について」(3)



*サンチェーン創業10周年記念社員総会(3)

「21世紀へ向けて第三創業宣言」
総会の締め括りに、私は要旨、次のように総括した。
『10周年記念を迎えることが出来たのは、社員の皆さんの献身的努力によるものであり、同時に関係先の多大なご協力のお陰であることを深く感謝申し上げ、皆さんと共々に、今後の更なる前進と成長をお誓いしたい。

この10年を振り返ると、三つの大きなステップがあった。 第一段階が、51年11月~55年8月までの約3年10ヶ月の間のT・V・B時代。 将にサンチェーンの開墾・開拓期で、チャレンジ精神のみを頼りに、試行錯誤を繰り返す中で、サンチェーンの原型を作り上げてきた期間である。 みんなの若いエネルギーの爆発と勢いで全国展開の布石をし、400店舗体制を作った。

第二段階が、55年9月~59年2月までの約3年5ヶ月、ダイエーグループに参加して、本格的なリテイルビジネス、チェーンストアシステムを学びはじめた時期である。 試行錯誤の原型を整理・調整し、サンチェーンとしてのCIシステムの導入やEDPシステムの構築などチェーンシステムの基本条件整備に注力した期間である。 サンチェーンは、シテイコンビニエンスらしさを整え、800店舗体制となる。

第三段階が、59年3月~61年11月までの約2年8ヶ月。 ダイエーグループCVS戦略の構築と推進に取り組み始めた時期であり、漸く開花期を迎え、実質的成長の条件が整備された期間である。 東海道メガロポリス中心とする大都市型コンビ二の特化した実質1000店舗体制を整えることができた。

だが、創業10年と云っても、我々にとっては一つの通過点に過ぎない。 むしろこれからが本当の勝負であり、正念場である。 現段階においては、如何に社内に、若さ、活力、成長力を持ち続けるか、 即ち、自己変革力、変化適応力を保ち続けることが出来るかが、これからのサンチエーンの明日を決める「経営のキーポイント」であると確信する。

このほど決定した21世紀へ向けてのダイエーグループCVS地域戦略の基本骨子は、
1・CVS事業は、ダイエーグループの基幹事業部門であり、サンチェーン及びローソン    は、その中核会社たるべきこと。
2・従って高成長・高収益であるべきこと。
3・サンチェーンは東海道メガロポリス・リージョナルチェーン、ローソンはナショナルチェーンとして各々の役割を分担し、その長所を生かして連携し、「キャッチセブン・オーバーセブン」=日本一を実現すること 
の三つにある。

これに応えるべき我々新生サンチェーンの使命は、 何よりも「QSCCの基本が徹底しているCVS」を実現することであり、 そのことが「シテイ・コンビニエンスというスぺシャリテイを持つCVS」を実現し、 そして当然に「地域のお客様に最も信頼されるCVS」を実現につながり、結果として、必 然的に21世紀へ向けて、「競争に強く成長し続けるCVS作り」を実現することとなる。 このことは、ある意味で永遠の経営課題であり、絶えざる不断の努力が要請されるが、 この場に集うサンチェーンの精鋭が、目標を一つにして、一致協力、持てる力、才能、情 熱を出し切る時に、必ず道が開けるであろう。

お互いが力を出し切るためには、かねて強調するように、我々一人ひとりが、これまでに 培ったサンチェーン・スピリツト(チャレンジ精神・礼節・規律)を胸に、主体的・能 動的に、課題に、仕事に、商売に、数値を変える取り組を進めていくことが不可欠である。



その意味でここに、21世紀に向けての
「サンチェーン第三創業」を宣言する』、


として、別掲の如く、 店舗変革の基本方針「QSCCの創造」を提示したのである。

これは、サンチェーンのシテイ・コンビニエンスの完成度を高めるための「QSCCの創造」を目指し、「本部の任務」と、「お店の任務」を具体的に明示するものであった。

「QSCC」=「品・鮮・清・笑」は、「品揃え」「鮮度」「清潔」「笑顔」を意味するもので、私がサンチェーンの商売の基本四原則として練り上げたものであり、日常的に社内で語り合われたキーワードでもあった。 総会の最後を飾り、私の陣頭指揮の下、 全社員で力一杯、社歌「出陣の歌」斉唱した。

21世紀に向けて出陣の決意を、相互に 力強く確認し合ったのである。

こうして、私の記憶に終生忘れえぬものとなった「創業10周年記念社員総会」は、感動の内に幕を閉じた。



(以下次号)

  
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