健康ニュース 7月15日号 2つの18%問題!

     

2つの18%問題とは‼

 小学校などで食育についての講演後、保護者の方、主にお母さん方と意見交換することが年に何回かあります。その際良く出る保護者からの2つの発言について、小子との問答です。

お母さん方の声その①「夏休み、冬休みなどの時は子供の昼ごはんに困っています。学校給食が待ち遠しいです。給食だと子供の栄養バランスも考えてくれていますし・・・」

 小子の説明「その考えはおかしいです!1年365日、1日3回の食事は年間1095回となります。夏休み、冬休みや土、日曜日、休祭日を除くと給食の回数はわずか200回前後です。これは年会食事回数のわずか18%程度にすぎません。この18%で全体を満たそうというのは、子供の健康管理にとって良いことは全くありません。ご家庭での食事でもって子供さんの健康管理をしてください」

 こう説明すると驚いたような表情をお母さんたちは見せます。

 佐々木敏女子栄養大学大学院客員教授は「子供たちの健康と食事、いま学校給食の役割はなにか?」というレポートで次のように報告しています。

 小中学生の給食のある平日と、給食のない休日の栄養素摂取状態を調査の結果、給食の無い日はビタミンC、カルシウム、鉄、カリウム、食物繊維などは大幅に摂取基準を下回っている、と発表されています。さらに、不足しがちなカルシウムやカリウムは学校給食に支えられていると言っています。

 子供の食事と健康管理は、あくまで家庭での食生活が握っていることを理解しておくべきです!

お母さん方の声その②

「コロナ過で子供が外に出なくなり、体力低下が心配です。放課後など学校で運動するように配慮してもらいたいです!」

小子の説明「確かにコロナ禍において子供ロコモが話題となっていますね。でも学校にコドモロコモの対策を委ねるのは大きな間違いと言えないでしょうか。説明しますのでお聞き下さい。1年365日、1日は24時間ですから、1年間は8760時間となります。夏休みや土、日曜祭日を考えますと登校日は200日前後です。また登下校時間を含めても学校にいる時間は1日8時間程度で、これは年間約1600時間となります。これは年間時間のおよそ18%に過ぎません。しかも学校にいる時間の中には、体育以外の授業時間も含まれています。体育時間や授業と授業の間の休み時間、給食後の休憩時間に活発に運動をしたとしてもそれだけでコドモロコモ化対策となるでしょうか?子供さんが、どう体力を培っていくかは家庭での過ごし方が左右することをぜひ理解しておきたいものです。休みの日といえば朝からゲーム遊びをやっていませんか?たとえコロナ禍でも、ずっと家にこもっているばかりでは、お母さんの心配はもっともですが、混雑していない時間帯に少しでも外へ出る工夫をしましょう」

本来、ロコモとは高齢者の健康問題です。コロナ禍とはいえ、子供までロコモ対策をしなくてはならない今、家庭で子供の健全な発育を責任持って見守ることが強く求められているのではないでしょうか。子供と最も多くの時間接しているのはお父さん、お母さんです!