<コンビニ創業戦記『鈴木貞夫言行録』>(第63回)

      2023/01/26  

第6章・(株)ミトリズ時代(その5)

『最近の読書シリーズ』(其の3)

<デビッド・A・シンクレア著『LIFE SPAN』(老い無き世界)を読んで>(其の3)

――「健康寿命120歳超え」を目指す旅ーー

5・第二部・私たちは何を学びつつあるか『現在』(その1)

 ――「長寿遺伝子を働かせる方法」ーー 

 『食事制限と間欠的断食』

 著者は約25年にわたって老化を研究し、何千もの論文を読んできて、健康長寿のために

 良い確実なアドバイスを一つ選ぶなら、『食事制限や間欠的断食』であろうと言う。

 これは古代ギリシャのヒポクラテスの時代から言われてきたことであるが、

 1970年代の動物実験や観察研究によって科学的根拠が示されてきたからだ。

 また今、新しい健康増進法として注目されているのが「間欠的断食」である。

 一定の時間だけ体を飢えさせる事でサバイバル回路を働かせることになるからだ。

 更に動物性たんぱく質の代わりにもっと植物性たんぱく質を摂れば、全因死亡率が著しく

 下がることが、研究によつて示されている。

 『運動と長寿遺伝子』 

 元気に暮らすには運動がいいというのは、何世紀も前から叫ばれている。

 運動をすれば血行が良くなり、健康になると長い間考えられてきた。  

 2017年に米疾病センター(CDC)が発表した研究によると、頻繁に運動する人ほど

 血液細胞のテロメアが長くなつていたのだ。

 運動とは、体にストレスを与えることである。

 この場合、1日最低30分のジョギングを週5日行う程度の運動を前提としている。

 エネルギーの産出量が上がり、筋肉に酸素を運ぶ毛細血菅を、さらに増やすようになる。

 これにより、AMPR,mTOR,サーチュインといった長寿関連の物質が調節され、

 新しい血菅を造らせ、心臓や肺を健康にし、テロメアを長くするのである。

 運動は重視すべきであり、例え一日15分でも、誰もが体を動かす必要があろう。

 また適度な寒暖のストレスに身をさらすのも、エピゲノムに有効という。

 タバコや有害な化学物質、放射線は老化を早めることになる。

『老化を治療する薬』

生命をナノスケールで見ると、単に一連の化学反応が起きているに過ぎない。

普通なら 決して組み合わさらないような原子が集められて結合し、

通常なら決して分解されない原子がばらばらにされる。

この作業を担当するのが酵素である。

酵素は、たんぱく質の一種であり、鎖状につながったアミノ酸がらせん状に巻いたり、

シート状に折りたたまりして出来ている。

生命活動を成り立たせるために、私たちは生きている間どの瞬間にも、

体を構成する何兆個という細胞におびただしい数のブドウ糖分子が取り込まれている。

取り込まれたブドウ糖は、ヘキソナーゼという酵素によってリン酸化され、エネルギー生成の経路に回される。

細胞は4次元で存在し、人間には知覚できないが、生きていることに乾杯するなら、

酵素に乾杯するべきだろう。

このレベルで生命を研究する中で、著名なノーベル賞受賞者・R・ファイアマンは、

「生体の振る舞いを調べても、死が避けがたいことを示すものは何一つ発見されていない」と表明したが、これは正しい。

生命に終わりが訪れなければならないような法則は、生物学的、化学的、物理学的に調べても見当たらないのである。

今や私たちは生命の仕組みを知り、それをゲノムやエピゲノムレベルで変えるツールを手にしている。

だから、健康寿命を延ばすという面でいうと、老化への効果がすでに実証されている二つの薬を利用するのが一番の近道であろう。

一つは「ラバマイシン」である。

南米チリの沖に浮かぶ絶海の孤島イースター島のモアイ像の下の土から発見された新種の放線菌から

分離された真菌性の化合物で「ラバマイシン」と名付けられた。

近年の世界中における研究と動物実験の結果、強力な免疫抑制機能を持ち、

ヒトの生命力と寿命を延ばす潜在能力を持つことが、一貫して確認されている。

また、インフルエンザ・ワクチンに対する人間の高齢者の免疫反応を少量で劇的に改善してもいる。

二つは、「メトホルミン」である。

健康寿命を延ばす上で、極めて効果が高く、安全性が実証されている薬である。

メトホルミンの素晴らしいところは、いくつもの病気に影響を与え、老化への防御機能全体を始動させることだ。

ある研究によると、認知症、心血菅性疾患、ガン、虚弱、うつ病などになる確率が低減されることが確認されている。

現在、「メトホルミンによる老化の標的化」という研究が進められている。

この研究を通して、測定可能な利点がミトホルミンにあるのを示すことを目指しており、

実現すれば「老化がやむを得ないもの」だった世界の終わりが始まるだろう。

僅か数錠の薬を飲むだけで健康寿命が大幅に伸びる時代は間違いなく来るだろう。

『更なる老化の治療薬・レスベラトロールの発見へ』

赤ワインに含まれている抗酸化物質・レスベラトロールを酵母に与える実験で、最大寿命が人間に換算して50年も延びることが確認される。

更に昆虫やマウスによる実験などを重ねて、レスベラトロールが数十種類の病気(種々のガン、心臓病,脳卒中,心臓発作、神経変性、炎症性疾患、創傷治療)などに対して予防効果を発揮するほか、健康と回復力を高めることが報告されている。

 ――以下、次号の第二部・『私たちは何を学びつつあるか』(現在)(その2)に続く。

鈴木貞夫年譜・2022年度』(第4四半期)

 10月

     4日・朝礼 

       ・PJMT

       ・部門長会議

    11日・フードボイス会(於・学士会館)

    12日・朝礼 

       ・部門長会議

       ・経営会議

    18日・朝礼

       ・部門長会議

    22日・如水会埼玉県四支部会

 

 

 

 

 

 

    25日・朝礼

       ・部門長会議

       ・経営会議

       ・新入社員オリエン

    28日・取締役会

                         以上

<次号は『鈴木貞夫言行録」(第64回)を掲載します)

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