第271話 家庭用蕎麦打ち器で《木葉蕎麦》を作ろう

     

【挿絵 ☆ ほし】

ウンナンの会より

ウンナンの会というのがある。「蕎麦の発祥は中国・雲南だ」という意味なのか、「運があれば、何とかなる」という意味なのかは知らない。とにかく当番が回ってくると、何か蕎麦料理を考えなければならないことになっている。
前回はスペインから帰国されたばかりの宮本学さん(江戸ソバリエ)がパエリアを御紹介され、皆さんと一緒に味わい、楽しんだ。
今回は私の番だが、「さて、何しようか?」と腕を組んだ。
考えてみると、江戸ソバリエ協会というのは、江戸ソバリエの皆さんを応援しなければならない。そこで「そうだ」と手を打って思いついたのが、家庭用蕎麦打ち器「そば打ち名人」(タカラトミー社)で蕎麦を打ち、それを千葉の《かけ蕎麦》=《木葉蕎麦》としていただくことにしようということだった。
そのことをリーダーの平林知人さん(江戸ソバリエ・ルシック)に申し上げると、「奇抜だ」と笑われてしまった。でも、やってみよう。ただし、それがなぜ応援になるかは分かっていただきたい。
1)タカラトミーで「そば打ち名人」を開発したのは江戸ソバリエの黒岩和信さんだから、少しでも売れるよう応援をしなければならない。
2)《木葉蕎麦》というのは江戸ソバリエ協会で「年越蕎麦」を募集したき、千葉の小林照男さん(江戸ソバリエ・ルシック)が「千葉には《木葉蕎麦》というのがあるから、知ってもらいたい」と言って応募されたものだ。
だから、協会としては「そば打ち名人」と《木葉蕎麦》をもっと宣伝しなければならないというわけだ。
さっそく、黒岩さんに応援を依頼し、小林さんには木葉のご提供をお願いした。
その木葉とは、大根の葉を熱湯にサッと通し、1週間か10日くらい干したものである。乾燥させているので、そのままでも旨味が出る。それを「そば打ち名人」で作った、いわゆる《かけ蕎麦》にトッピングする。
蕎麦粉は栃木・益子産の二八を大塚「小倉庵」(江戸ソバリエ認定の店)から分けてもらった。
こうして、目指す家庭用蕎麦打ち器で《木葉蕎麦》は何とかでき上がった。
ただ、郷土食というのは、愛郷心が美味しく感じさせるところがあるから、他国人はそれを理解できないこともある。正直に言って、それが小林さんも、私も、ちょっと不安だった。
しかし心配御無用。家庭用蕎麦打ち器で作った二八蕎麦はしっかりできていて、しかも乾燥した大根の葉の旨味は野生を感じさせる珍味であった。成功である。

数日後、研究熱心な人として仲間に知られている大久保さん(江戸ソバリエ)から電話があった。「あの蕎麦打ち器を買いたいけど、何処で打っている?」
私は即ご返答した。「ビッグカメラやヨドバシカメラにあります」と。
江戸ソバリエ協会のメルマガ『江戸ソバリエ協会だより』でお知らせしたときも、黒岩さんは「お蔭さまで、幾つか売れた」とおっしゃっていたが、今日もまたメデタシである。

「広報の精神は、自分のことよりも、先ず人様のことを気遣いせよ」。これが在職時代に所属していた広報部の基本であった。その精神は少しぐらい江戸ソバリエ協会にも活きている、かな・・・


参考:
宮本学さんのレポート
http://www.edosobalier-kyokai.jp/pdf/miyamoto_spain0.pdf
小林照男さんのレポート
http://www.edosobalier-kyokai.jp/pdf/2014toshikosi_kobayashi.pdf
タカラトミー「そば打ち名人」発表会
http://fv1.jp/mvnews/?p=2118

〔江戸ソバリエ認定委員長 ☆ ほしひかる