矢野経「2011年度の健康食品市場規模調査」

      執筆者:編集部

矢野経済研究所は2011年度の健康食品市場規模調査を行い、その結果、前年度比102.1%、7105億円(メーカー出荷金額ベース)とアップ、2008年度まで縮小傾向の市場は2009年度からプラス成長に転じた。背景としては、通信販売市場の好調と中高年層のニーズを受けた美容・アンチエイジング素材、エイジングケア素材の台頭、青汁やにんにくなど消費者に認知度の高い素材の市場拡大が上げられる。また、通信販売チャネルが訪問販売チャネルを逆転、2010年度の最大販売チャネルであった訪問販売を初めて上回った。媒体広告料の低下を受けて、各社の広告展開が活発となり、消費者の需要を喚起したことが奏功した。その他のチャネルでは、ドラッグストアなどの薬系チャネルも堅調。素材別では、グルコサミン、プラセンタ、青汁などが好調、2010年度の健康食品市場は、効果のわかりやすい素材が好調、背景には、健康食品の表示・表現に対して行政の規制・監視が強まる中で、ヒット素材が生まれにくくなっており、認知度の高い素材や効果の実感しやすい素材が人気を得ていることが上げられる。中で好調なのはグルコサミン、プラセンタ、青汁など。高齢化が進む中で、中高年層向けの関節対策、生活習慣病対策、肝機能改善などを訴求した素材の拡大が見込まれるほか、女性からの堅実なニーズがある美容・アンチエイジング素材も成長が期待できる。