健康ニュース 1月15日号 餅つき中止を考えよう

     

「ノロウイルスが大流行の兆し」というニュースが流れ始めたころ、商店街や幼稚園などの行事である餅つきを中止するという報道が目につきました。市民とのつながりを期待していたであろう商店街、楽しみにしていたはずの幼稚園児はさぞがっかりしたことでしょう。

 餅つき中止を決定、というある地区の行政担当者に確認したところ次のような回答がありました。「行政としてはノロウイルスが流行っているから中止せよ、ということは指導していません。各団体や幼稚園などが責任をもって衛生管理を徹底してやってもらえばいいことです。餅つきをするという相談を受ければそれなりの衛生上の指導はおこないます。例えば手にはビニール製の手袋使用が望ましいとか、飛び入りで餅つきを希望する人には断った方が無難です、というように。ただしあくまでもアドバイスです」とのことです。

 餅つきは、ハレの日の行事であり、わが国の食文化の代表的なものの一つと言えます。ノロウイルスが流行っているから、ノロウイルスが怖いからと言って右へならえの中止はいかがなものでしょうか。日本の伝統食を守ろうという数々の団体、グループが中止に反対、継続を!といった声が聞こえてこないことも不思議であり残念です。

 各地の行事での餅つきを生業としている関係者に聞いてみました。「室外での餅つきは、衛生上は大変リスクがあります。業者として自分たちが搗いたおもちで食中毒などが出ては命取りです。従って①おもちを搗く人、返す人の手洗いはもちろん下痢をしていないかなど徹底した健康管理を実施しています。②道具の臼と杵などは徹底して消毒をしてから使用します。③作業をする人はエプロンなどの使用を守り、飛び入り参加者は認めないこととしています。④子供向けの餅つきを子供たちがやる時は、搗いた餅は鏡餅などに使用し、搗きたての餅を食べてもらうとしたら自分たちが搗いたものを使うようにしています。⑤使用する手水などは頻繁に交換することです。⑥作業員にはノロウイルスはアルコール消毒では効果なしと言うことを徹底して言い続けています。⑦室外での餅つき時は周りに水撒きをするなど風による異物混入などを防ぐようにしています」などの解答でした。

  行政の中止命令を受け入れずに餅つきをして、その結果万が一にも食中毒が発生しては、取り返しのつかないことになりかねません。ゆえに手っ取り早く中止のアドバイスを受け入れているのかもしれません。

 が、一方では日本を代表する伝統行事とか、子供にも楽しんで欲しいという発言があるのも当然です。

 餅つきを見た子供に「何をやっているの?」と聞かれた親が「お餅をついているのだよ」と答えたそうです。すかさず子供が「機械でやればいいのにね」と不思議そうな顔をしたということです。こんな子供がこれ以上増えないように、と願うのは小子だけではないと思いたいのですが・・・。餅つきは一人ではできません。みんなと共同作業をしながらハレの日のお祝いをする、という昔からの言い伝えがあります。何としても次世代の子供たちにも伝え残したい伝統です。