明治「ICI加盟でカカオ産地児童の労働撲滅推進」

      執筆者:motoe

明治(代表取締役社長:松田克也)は、持続可能なカカオ豆生産の実現に貢献するために、カカオ産地で児童労働撲滅のための活動を推進するNPO団体のInternational Cocoa Initiative(以下ICI)と、10月4日に日本企業として初めてパートナーシップ契約を締結し、ICIに加盟することとなったことを発表した。チョコレートの原料となるカカオの産地にある農園では、カカオの木の高齢化や病虫害、農業資材の入手の難しさ、栽培技術の周知不足などが収穫減につながり、生産者が十分な収入を得られないという問題があり、国や地域によっては、子どもたちが学校に行けずに危険な労働に従事するといった問題も起きている。世界第1位と第2位のカカオ生産国であるコートジボワールとガーナだけでも、危険な労働を余儀なくされている18歳未満の児童労働者は156万人に上るといわれ、このうちコートジボワールは約79万人、ガーナは約77万人となっている。同社は、チョコレートを製造販売するメーカーの責務として、カカオ産地で起きている課題に向き合い、持続可能なカカオ豆生産の実現に貢献するため、2006年に同社独自の支援活動として「メイジ・カカオ・サポート」を開始。以降、順次拡大しながら継続しており、その活動は今年で15周年を迎える。また、2020年3月には、2026年度までにカカオ農家支援を実施した地域で生産されたカカオ豆「明治サステナブルカカオ豆」の調達比率を100%にする目標を設定し、さらなる活動の強化も図っている。そして今回、カカオ産地で児童労働撲滅のための活動を推進するNPO団体であるICIに、日本企業として初めて加盟することで、カカオ産地での問題解決への貢献の促進を図ることとなった。ICIは、2015~2020年の間に42万人の子どもたちの状況を改善し、独自開発した児童労働監視改善システム「CLMRS」によって特定された危険な児童労働を50%減少させ、支援コミュニティでは児童労働を20%減少させた実績を持つ。また、パートナー企業が西アフリカのカカオ・サプライ・チェーンにおいて「CLMRS」を実行するのを支援し、2015年以降、21.5万人の子どもたちにプラスの影響を与えている。同社は、ガーナでの「CLMRS」の取り組みを通じて、カカオ農園での児童労働撲滅への貢献を推進。今後も、「カカオでつながる、すべての人を笑顔にしたい」という思いを胸に、本取り組みを含めたさまざまな取り組みにより、カカオ産地や農家が抱える問題を解決し、持続可能なカカオ豆生産の実現に貢献していく意向という。