<コンビニ創業戦記『鈴木貞夫言行録』>(第69回)

      2023/08/04  

第6章・(株)ミトリズ時代

    『朝礼スピーチ事例集㊶

ーー2023・6・20(火)--

朝礼スピーチ要旨――

全国の皆さん お早うございます。心のグータッチを送ります。

半年ぶりの朝礼スピーチですが、私は今年、「卒寿」の年を迎えました。

今、人生百歳時代と云われて、百寿者が年々増え、昨年は10万人を超えたようです。

調査によると百寿者に共通するのは、「健康で90歳の壁を超えること」といわれます。

私も、卒寿を契機に、百歳までの後10年を、如何に充実して生きるかの指針を、

マイ『V・M・V』の形で、次のように再確認したいと思います。

『VISION』 「WAHT TO DO」『着眼大局』で考える)

        <『世界の恒久平和と人類の共生共栄』の実現に貢献したい

         1・『生命は価値創造の源泉』(自分の命・お互いの命・みんなの命を大切にする)

   2・『核兵器を廃絶する』(すべての国が「核兵器禁止条約」に加盟する)

   3・『母なる地球を護る』(SDGsを誠実に実践する)

『MISSON』 「HOW TO DO」『着手小局』で実践する)

    <自分に「出来ること」を日々積み重ねて、大きな価値創造につなげる

       1・日々、『祈りと誓い』を深め続ける  (勤行唱題・仏道修行・人間革命)

   2・日々、『学びと英知』を磨き続ける  (温故知新・不易流行・変化適応)

   3・日々、『一期一会を大切』に訴え続ける(平和憲法・対話外交・国連改革)

『VALUE』  「WHY TO DO」を『継続こそ力』で生き抜く)

   <人間らしい心で『ウエル・ビーイング』を、生き切りたい。>

        1・『より良き人生を生きる』(身体的、精神的、社会的健康)を生きる

         2 ・『ダイヴァーシティ・インクルーシブ社会』の実現に生きる

        3・『ジェンダー・フリー社会』の実現に生きる

    を通じて、「誰もが輝く希望の未来」を拓き続けたいと念願します。

    最後に感謝の心を込めて「卒寿の思い」を二句、披露します。

   『蜃気楼  探し求めて 卒寿かな』

 『生かされて 卒寿の坂を 超えにけり』

  7月の方針会・社員旅行で、皆さんとお会いできることを、心から楽しみにしています。

  ご清聴、有難うございました。                  

                              以上 

『最近の読書シリーズ』(其の8)

   ヨハン・ノルべリ著『オープン』を読んで」(その4)

   第Ⅱ部・『クローズ』

    前号までに、近代における人類の飛躍的進歩を可能にしたのは、

           「オープン性」の果実としての 啓蒙主義と科学革命に伴う

            産業革命であることを示してきた。

    だがそれは必ずしも、西欧の必然的勝利を意味しない。

    人間は交易者であるとと同時に仲間内に閉じていく部族人の側面がある。

    何故世界は今、ウクライナで日々目撃しているような「敵と味方」に別れ、

            戦争やヘイト行動を起こすのか

    第5章・「ヤツら」と「オレたち」

           人類はオープン性を活かして進歩を生み出すだけではない。

    多くの場合は協力して平和な貿易を行うが、時には貿易戦争と本物の戦争を始めて、

    国境を閉ざし、新技術を潰し、異論者を殺し、進歩を潰す。

    人類の長い歴史がそれを証明している。

    中国の明はイノベーションとグローバル化に背を向けて自滅し、

           イスラムの時代は潰された。

    オスマン、ペルシャ、ムガール、スペイン帝国は オープン性の基盤を

    解体して亡びた。

    ヨーロツパはナチズムとコミュニズムに乗っ取られ、20世紀の間に2度も

    自己崩壊しようとした。

    ホモ・サピエンスは長い歴史を通じて、共感の輪を自分の家族から小集団、

    共同体、国、そして最終的に人類全体に広げて、「オレ達」を広げてきた。

    それでも未だに部族本能は人間の中に残つており、それらは時折大惨事をもたらし、

    戦争の惨禍を引き起こすことになる。

    条件によっては集団内部の愛が、あっと言う間に集団外側に対する憎悪に変わる。

    残念なことに、人間の石器時代的意識、そして石器時代的指導者が、

    まさに「この世界はゼロサムだ」と思い込ませようとしているからだ。

    第6章・『ゼロサム』

    「オレたちが貧しいのは誰かが搾取しているから」というゼロサム思考は、

    人間の本能に見えるが、実際は経済は「プラスサム」なのである。

    ホモサピエンスが存在してきたほぼすべての時代を通じて、 

    人類の歴史、ここ30万年を24時間に短縮してみると、  

    ほぼすべての事が起きた最後の200年は、最後の一分に当たり、 

    その一分間に、人類の長寿、安全、健康、富、技術が生じている。

    だが、人間の脳、本能、考え方は、この60秒間で生まれたわけではない。

    それらはその前の8万6400秒の間に生じた。

    そして勿論、その前の先史時代は直近の30万年よりも長い。

    オープン性は、かつての部族的な考え方では理解不能な生活を可能にした。

    人類が存在してきた凡そ99・9%の間、個々の人間は進歩、イノベーション、

    よそ者との互恵を経験せず、経験したのはゼロサムゲームであったろう。

    第7章・『将来への不安』

   『昔はよかった。それに引き換え今は・・・』と、古代から人類はそうボヤいてきた。

   この「過去の美化」は、事実に反するだけでなく、技術の進歩と社会改善を妨げる。

   ノスタルジアは、人間に欠かすことのできない心理的特徴だが、

   物事を司さどる哲学にはなりえない。   

   昔の方がずっと良く、かつての世界を再建すべきだと主張する政治家、

         ポピュリストには要注意である。

   確かに、イノベーションや新技術は伝統文化と習慣を乱し、問題を起こすこともある。

   だがそれらを有効に利用し、リスクを減らす唯一の方法は試行錯誤であり、

   叡智は、リスク、誤り、失敗、新たな適応とイノベーションを含んだ

   経験のみから生まれる。

   やりながら学ぶというのは、人間を人間たらしめる本質でもある。

   それでは、何故パソコンはソ連で発明されなかったのだろうか。

   1988年以降のソ連では、巨大な産業スパイのお陰で、

   西側の新技術のあらゆる情報は 伝わつていたし、

   共産主義者たちはパソコンの進展を知っていた。

   だが、それが何のためにあるかが理解できなかつたのだ。

   違いはアメリか経済のようなオープンアクセス型システムでは、

   大航海時代にコロンブスがパトロンを探し続けられたと同様に、

   ステーブ・ジョブズがエンジェル投資家の力を借りて企業化出来たことだ。

   発明者が思つてもいなかった様な使い道が発見されるのである。

   パソコンとあらゆるデバイスを面白いものにしたインターネツトの開発も又、

   オープンなプロセスがもたらした結果である。

   インターネツトは 核攻撃を受けても残る通信システムの保持を目的に、

   アメリカ国防総省が開発したという都市伝説があるが、

   実際はデジタル時代を規定することになつた多くの基盤技術と同様に、

   自分の知的労働を世界全体と自由に共有する科学者、プログラマー、

   マニアたちの分散したグループによつて創造され、今も形作られているのだ。

   制約の無いあらゆる側面からの考えの渦こそが、

   ワールド・ワイド・ウエブの雲の巣を命で満たしたのである。

   物事はこうして起こるのである。

   実験、フイードバツク、学習、適応、大きな岩を避ける、新たな実験、

   更なる学習、新たな適応、そしていきなり 何か特別なことが起こるのだ。

   今日、グーグル、アップル、テンセントといった巨大企業が繁栄しているのは、

   彼らが自身の創造性や能力だけに依存していないからである。

   彼らはむしろ部外者のためのプラつトフォームを作り、アプリストア、

   グーグルプレイ、そしてウイ―チャットは、その他の無数のイノベーターの

   エコシステムとなり、彼らが提供するものは、見たこともなければ、

   会ったこともない人々のお陰で刻々と進化している。

        但し、オ-プン性にも内在する本質的な欠点がある。

   それがどんな素晴らしい結果をもたらすか、事前には分からないことである。

   人はみんな確実性を求めているが、ミクロな世界では道理に適っている事でも、

   マクロな経済、技術、文化の世界では通用しないことも多い。

   進歩とは常に二進一退である。

   何故なら、そこには反発があり、それ反対して反発しなければならないからだ。

   進歩とは奇跡ではなく、問題解決の結果だ。

   問題は不可避で、解決策が新たな問題を生み、次はそれを解決しなければならない。

  何が一番うまく行くか分からないので、世界のどこか実験室で生れた驚きに対して

  オープンでなければならない。

  地球温暖化環境問題を初め、人類が直面する課題の解決は、全て知識の問題であり、

  より多くの知識を得る方法はオープン性と試行錯誤しかないのだ。

  いまやもはや西欧は宇宙の中心ではない。

  西欧は無秩序と敵に囲まれ、多数の移民とテロリスト集団が

  西欧文化と社会そのもを脅かしている。

  それが危機感を高め、ゼロサム思考と群れたがり思考を増進させている。

  次号、最終章・第8章『戦うか、逃げるか』に続く。

鈴木貞夫年譜・2023年度第2四半期②』

   6月  6日・朝礼

        ・部門長会議

        ・経営会議

     12日・新宿海上診

     13日・朝礼 

        ・PJMT

        ・部門長MT

        ・月例フードボイス会(於・学士会館)

     20日・朝礼スピーチ

        ・部門長MT

        ・部門報告会

        ・人事制度報告会

     27日・朝礼

        ・部門長MT

        ・経営会議

        ・リスクコンプライアンス委員会

     28日・月例取締役会

                             以上

  (次号は『鈴木貞夫言行録」(第70回)を掲載します。)

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