マルハニチロ「養殖魚スギの試験販売」5月から開始

      執筆者:motoe

マルハニチロ(本社所在地 : 東京都江東区、代表取締役社長 : 池見賢)は、試験的に養殖していた脂乗りのよい白身魚の「スギ」の試験販売を5月から開始する。昨今の養殖業界は、海水温上昇に起因した養殖魚の成長鈍化・疾病リスクへの対策や餌料原料代の高騰など、難しい事業環境下にあるが、そのような中、持続可能なたんぱく質の安定供給に取り組む同社では、2024年6月より、高水温に強く短期間で生産できる、「スギ」の試験養殖をスタート。「スギ(スズキ目、スギ科、スギ属)」は、南日本から台湾、中国沿岸南部などに生息する南方魚で、20℃以上の水温を好み、夏場の30℃以上の高水温期にも適応。1年で出荷サイズの約4〜5kgに成長し、時間が経過しても身や血合いの色が変化しにくく、脂乗りも十分にあり、刺身・寿司などの生食用を始め、加工・味付け含めさまざまな調理方法に対応可能な魚。同社では多様な販路を活用して順次試験販売を5月より開始し、初年度は生産量1万尾、2027年度には10万尾をめざすという。さらには、環境と人権に配慮した責任ある養殖業で生産された水産物認証であるASC認証の早期取得、マルハニチログループのマルハニチロ養殖技術開発センターを活用した人工種苗生産に取り組むなど、クロマグロ、ブリ、カンパチに次ぐ第4の養殖魚の柱とすべく、生産から販売まで一体的に取り組みを進めていくとしている。