キッコーマン、麹菌「アスペルギルス・ソーヤ」のゲノム解析に成功

キッコーマン（株）は、野田産業科学研究所、東京大学、東京工業大学と共同で、麹菌「アスペルギルス・ソーヤ（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ　ｓｏｊａｅ）」のゲノム（全遺伝情報）解析に世界で初めて成功した。３月２５日から京都女子大学で開催される日本農芸化学会２０１１年度大会で発表する。「アスペルギルス・ソーヤ」は「アスペルギルス・オリゼ（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ　ｏｒｙｚａｅ）」と並ぶ日本を代表する麹菌の一種。これまでしょうゆや味噌などの醸造現場からしか見出されておらず、進化的にも遺伝子資源の面からも世界的に関心がもたれている。今回ゲノム解析した「アスペルギルス・ソーヤ」はタンパク質を分解する能力が高く、しょうゆ・味噌など大豆を原料とする醸造食品の製造に主に利用されている。さらに詳細な解析を進めることで、例えば、タンパク質やペプチドを分解する酵素に関する情報を得ることができる。この酵素を多量に作るように麹菌を改良することでしょうゆの生産効率をあげたり、よりおいしい食品や健康機能性ペプチドを含む食品を製造できるようになるなどの成果が期待される。同社では、今後、麹菌のゲノム解析の成果を利用して、よりおいしく、より健康に良い食品を提供できるよう、研究を続けていく。