健康ニュース 12月15日号 学校給食の話題2つ

     

その①野菜高騰、給食中止

天候不順で野菜が高騰。その結果「予算内では給食が提供できない」という理由で、「12月と来年1月の2回、給食を中止」、と三重県鈴鹿市教育委員会が発表した。2週間後、鈴鹿市長がこの方針を撤回と発表。この野菜高騰による給食中止騒動はまだ耳新しいことでしょう。

小子は給食の当事者に声を大にして言いたい。

予算が不足するなら、それなりの工夫というものを持ち合わせていなかったのか!と。野菜を使ったメニューだけが給食と思っているのなら、思考力はゼロ。予算がないからできないという結論は、役人的仕事そのものです。

「おにぎりを給食として出す」という発想は全くなかったのでしょうか。仮に野菜を使ったメニューを考慮した時、地産地消が建前であっても、急場凌ぎで他の地域からの仕入れを全く考慮しなかったのでしょうか。地産地消を「地球上で生産したものを、地球人として消費する」という拡大解釈ぐらいあっても良いのではないでしょうか。給食を中止するので当日は弁当持参とか授業を午前中で打ちきり、などという代案・解決策は無責任極まりないと思いますが・・・。

「12月にはおにぎりを作って食べよう」「1月はおもちを食べよう」とか「世界では食事を摂れない子供が数多くいます。その子供たちにとっては、今君たちが食べているカップラーメンはご馳走なのですよ」

これも生きた教育ではないでしょうか。

過日ある小学校で、一年生から六年生までの食育の教室を視察させてもらったことがあります。低学年では「三大栄養素の持つ働き」とか、6年生は「睡眠とメラトニン」というレベルの授業内容で、小子の小学生時代のそれとは雲泥の差を感じました。

一方では給食担当者の思考力はさほど進歩していないというと叱責を受けることでしょうか。その覚悟の上で書かざるを得ない気持ちになったことは間違いありませんが・・。

その②給食担当の先生?

「食のリスクコミュニケーション」というテーマの講演会を聴きに行きました。講師は国立医薬品衛生研究所の方で、一〇〇分の講演は内容の濃いものでした。質問時間に、ある地域の学校給食責任者という方が「阿部司氏の食品の裏側を読んで食品添加物が怖くなりました。給食食材にも食品添加物が使われていますが、責任者としてどう対応すべきでしょうか。また牛乳は小牛の飲むものであり体に良くないといわれています。保護者の中にも、飲ませないでという方がいますが、どう対応すれば良いでしょうか」と小子には驚愕の質問をした方がいました。

えっ、こんな考えを持つ人が学校給食の責任者?

講師の解答は「阿部氏が、食品添加物の専門家ならば食品の裏側は、大変悪質です。悪意をもって書いていると言えますし、随所で基本的な過ちがあります。第二の質問も、牛乳が小牛だけの飲み物ならば、人が飲食できるのは母乳だけといえます。たまごも野菜も、人に食べてもらうために存在しているのではありません。全ての食材は人が食べるために工夫、改良を重ねています。牛乳は栄養素面から言っても素晴らしい食材です。一部の人々に牛乳を否定する方もいますが、それはそれで仕方ないことでしょう。ただ安価で手軽な食材としての牛乳は、子供にとっても価値があります。給食には欠かせないです」

質問者が質問内容に少しでも恥を感じてくれたらよいのですが、それは知る由もありません。