キリン「Innovate2035!」策定
執筆者:shirai
キリンホールディングスは、2035年に向けた新たな長期経営構想「Innovate2035!」を策定した。2019年から推進してきた長期経営構想「KV2027」の進捗を踏まえ、変化の激しい事業環境に対応しながら、CSV(Creating Shared Value)経営をさらに進化させる。 同社はこれまで、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを掲げ、酒類・飲料・医薬に加えヘルスサイエンス事業を育成。2025年にはヘルスサイエンス事業が黒字化し、盤石な事業ポートフォリオを構築しつつある。一方、AIの進化や価値観の変化など、経営環境は一層不確実性を増している。 新構想では「人と技術の力でイノベーションを起こし続けるCSV先進企業として世界をもっと元気にしている」を2035年Visionに掲げる。発酵・バイオテクノロジーを核とする技術力と、生活者起点のマーケティング力を掛け合わせ、AIや外部との共創を通じて新たな生活習慣を生み出すイノベーション創出体制を強化する。 酒類事業では国内基盤を軸にグローバル展開を推進し、「技術イノベーションセンター」を新設。飲料・ヘルスサイエンス事業では免疫ケアや脂肪対策など健康ニーズへの対応を拡大し、APAC統括会社「Kirin Health Science International」を設立して海外展開を加速する。医薬事業では抗体医薬や遺伝子治療、AIを組み合わせた開発を推進する。 財務目標としてEPS一桁後半%成長、ROIC10%以上を設定。あわせて「健康」「環境」「R&D」「人的資本」など非財務指標も明確化し、持続的な企業価値向上を目指す。また、グループ共通の価値観・行動指針「KIRIN WAY」を策定し、全従業員の行動変容を促す。 キリングループは、「食と健康」を軸に、社会的価値と経済的価値を両立するCSV先進企業として、次の100年に向けた成長を加速させる構えだ。