<コンビ二創業戦記・別伝>「DCVS回想録」第27回

      2017/01/24  

 《賀正》

迎える2013年が、希望を開く前進の年でありますように、心からご祈念いたします。

  「懐かしのローソン東富士ゲストハウス時代(1994~2002)(その8)

<その他のことども>(その1)

ゲストハウスでは、加盟店研修や社員研修、取引先研修会等に加えて、いろいろな会合が開かれたが、特に私が関わったものの中から、記憶に残るいくつかを取り上げておきたい。

 『第4次三ヶ年計画・策定会議』

ーー1995年(平成7年)12月1~2日ーー

DCVS(ダイエーコンビニエンス・システムズ)では、合併後の1990年代初めから、中期経営計画を策定し始めたが、そのローリング検討会議を、全幹部参加で毎年実施してきた。

「第4次3カ年計画策定会議」は、完成一年後の真新しいゲストハウスで、ローソンの全中枢幹部109名が参加して開催された。

全員を10班ほどの小グループに編成し、テーマ毎にブレーンストーミング方式のデイスカッションを行い、そこで得た結論を全体会議で発表の上、質疑討論して確認し合う形で進行するのである。

相当に熱が入り、半徹夜になるグループもあって、全体会議はかなり盛り上がる状況であった。

これを通じて、3カ年の目標と次年度経営計画及び戦略大綱が策定されていくのである。

この会議は、経営目標と方針、経営意志の決定プロセスに、全幹部が参加することで、経営環境と経営課題の認識の深化と共有が図られ,非常に有意義であったと思う。

会議を終えるに当たり、当時、相談役として私が行った中計会議に対する講評は次の通りであった。

 《中計会議の講評要旨》

【ローソンの大久保彦左衛門と云う立場で、今回の中計会議に付いての感想を申し上げたい。

これまで何度もこのような会議に参加してきたが、今回ほど相矛盾した感想を抱いた会議はない。

と云うのは、全社的な現状認識と戦略情報を、楽しく愉快な討議の中で共有できた『充実感』を感じる一方で、話し合われた戦略の前向きな方向性の中で、意外に目標とする経営数値が変わらないことに対する『失望感』である。

『充実感』というのは、今ここに集まっているローソンの中枢幹部の皆さんは、全員とてもヤングとはいえない世代であるが、結構、若々しい感性と、ユーモア溢れる柔軟な発想と同時に、円熟したヴェテランの味、本質を辛辣に突く視点をも合わせ持っていると云うことで、議論を大変楽しく聞かせて頂いた。

その中で、「皆さんのような上司を持つ部下は本当に幸せだ」と実感し、「ローソンにも人材を育てる組織風土が根付きつつある」、と頼もしく思ったことである。

ローソンはこれから大きく進化できると確信する。

これまでローソンの未来像として、「かくありたい」、「こんなことが出来ればいい」、と夢に描いていたことが、今、次々と実現し始めているからである。

『失望感』とは、中計とは一体何なのか、ということである。

単なる経営予測ではないはずである。

『ローソンのこれからは、コンビ二のこれから』をスローガンに、『ローソン運動』を展開しながら、経営数値指標が余り変化しないのは何故なのか、疑問に思う。

「日販革命」「出店革命」「商品革命」の言葉は躍るけれども、トレンドを破ろうというチャレンジの意志が感じられないのは、真に残念である。

是非とも強い挑戦の意欲をもっと示して欲しいと思う。

以上辛口だが、私の感想を申し上げて、講評としたい。 】

<第4次三カ年計画参加者リスト>

『オーナー福祉会・人生設計セミナー』

ローソンオーナー福祉会が主催した人生設計セミナーに付いては、既にこの「DCVS回想録」(第2回~第4回)に書いているのだが、その中で特にゲストハウスで開催されたセミナーに付いて書き漏れた点もあるので、資料のあるものだけ補足しておきたい。

ローソンゲストハウスで開催した「加盟店オーナー人生設計セミナー」は、確か次の7回であると思う。

次のような参加店舗のオーナーさん夫婦のリストを見ていて、その頃の皆さんの若々しい風貌が浮かび、懐かしさがこみあげてくる。

ーー1994年(平成6年)9月13~14日ーー

 [参加オーナー]新潟白山浦店・築井オーナー夫妻、

伊奈町栄店・高橋オーナー夫妻、

入間下藤沢店・佐々木オーナー夫妻、

草加清門町店・伊藤オーナー夫妻、

元横山1丁目店・山崎オーナー夫妻、

野毛山公園店・本沢オーナー夫妻、

牧野屋酒店・平野オーナー夫妻、

貝津町店・小林オーナー夫妻、

高槻大塚店・西口オーナー夫妻、

明石大久保店・佐藤夫妻、

以上10店舗20名

ーー1994年(平成6年)11月16~17日ーー

[参加オーナー]名寄大通南店・千々石オーナー夫妻、

盛岡湯沢店・下河原オーナー夫妻、

新潟上木戸店・船山オーナー夫妻、

北戸田駅前店・寺田オーナー夫妻、

江古田栄町店・今井オーナー夫妻、

青梅二俣尾店・宇佐美オーナー夫妻、

上田下之郷店・南波オーナー夫妻、

池上新町店・遠藤オーナー夫妻、

元宮店・佐藤オーナー夫妻、

北今池店・角谷オーナー夫妻、

東山通り3丁目店・川辺オーナー夫妻、

太閤通り3丁目店・祖父江オーナー夫妻、

金沢東山1丁目店堀貫オーナー夫妻、

八日市国立病院前店・武久オーナー夫妻、

柳ケ崎店・若井オーナー夫妻、

高野泉町店・今井オーナー夫妻、

大和郡山横田店・志村オーナー夫妻

長居東1丁目店・東オーナー夫妻、

玉造2丁目店・正木オーナー夫妻、

川西水明台店・福田オーナー夫妻、

明石大久保駅前店・佐藤オーナー夫妻、

徳島津田西店・高川オーナー夫妻、

築上築城店・椋本オーナー夫妻、

佐賀鍋島店・木下オーナー夫妻、

以上24店舗48名1994年

ーー1994年(平成6年)11月24~25日ーー

[参加オーナー]函館日吉町店・桃井オーナー夫妻、

柴田上名生店・関オーナー夫妻、

川口西青木店・福田オーナー姉妹、

東筑摩波田店・増塩オーナー夫妻、

溝の口店・石山オーナー夫妻、

沼津岡宮店・倉田オーナー夫妻、

徳川店・吉村オーナー夫妻、

中川福住町店・宮田オーナー夫妻、

久瀬川店・中嶋オーナー夫妻、

蒲郡形原店・石田オーナー夫妻、

一宮伊勢店・角田オーナー夫妻、

富山草島店・杉谷オーナー夫妻、

西淡路5丁目点・小林オーナー夫妻、

四条畷市役所前店・梶原オーナー夫妻、

貝塚麻生中店・村山オーナー夫妻、

鶴山台店・高木オーナー夫妻、

安堂寺町店・山根オーナー夫妻、

道明寺店・太田オーナー夫妻、

立花駅前店・大谷オーナー夫妻、

南福岡駅前店・深町オーナー夫妻、

福岡南片江店・野中オーナー夫妻、

以上21店舗42名

ーー1995年(平成7年)2月15~16日ーー

[参加オーナー]川口西青木店・井上オーナー夫妻、

西早稲田2丁目店・山崎オーナー夫妻、

元横山1丁目店・山崎オーナー夫妻、

富士吉田本町店・坂本オーナー夫妻、

山梨小淵沢町店・清水オーナー夫妻、

瀬谷本町店・朝日オーナー夫妻、

田名陽原店・山崎オーナー夫妻、

半田大高店・村山オーナー夫妻、

飯田町店・下村オーナー夫妻

以上9店舗18名

ーー1995年(平成7年)4月27~28日ーー

[参加オーナー]福島渡利店・渡辺オーナー夫妻、

新田店・坂庭オーナー夫妻、

伊勢原千津店・大沼オーナー夫妻、

静岡駒形通店・大角オーナー夫妻、

蒲郡形原店・石田オーナー夫妻、

小林3丁目店・沖奈オーナー夫妻、

和歌山狐島店・松本オーナー夫妻、

富山草島店杉谷オーナー夫妻

東島店・林オーナー夫妻

以上9店舗18名

ーー1995年(平成7年)9月13~14日ーー

[参加オーナー]新潟白山浦店・築井オーナー夫妻、

尹奈町栄店・高橋オーナー夫妻、

入間下藤沢店・佐々木オーナー夫妻、

草加清門町店・伊藤オーナー夫妻、

元横山1丁目店・山崎オーナー夫妻、

野毛山公園店・本沢オーナー夫妻

牧野屋酒店・平野オーナー夫妻、

貝津町店・小林オーナー夫妻、

高槻大塚店・西口オーナー夫妻、

明石大久保駅前店・佐藤オーナー夫妻

以上10店舗20名

ーー1997年(兵背9年)6月19~20日ーー

[参加オーナー]草加清門町店・伊藤オーナー夫妻、

川口西青木店・井上オーナー夫妻、

山梨小淵沢町店・清水オーナー夫妻、

山梨境川店・清水店長夫妻、

沼津下香貫店・斉藤オーナー夫妻、

野毛公園店・本沢オーナー夫妻、

中川福住町店・宮内オーナー夫妻、

八尾恩智北町店・川崎オーナー夫妻、

道明寺店・太田オーナー夫妻、

木川公園前店・池内オーナー夫妻、

伊丹スポーツセンター前店・清水オーナー夫妻、

松山道後駅前店・吉本オーナー夫妻、

以上12店24名

セミナーの内容は、基本的には毎回同じであったが、なんといっても、オーナーさんたちが、ご夫婦同士で他のオーナー仲間と相互に交流し、苦労話や、悩みに付いて話し合うことで、連帯感やローソン同志としての絆を確かめあうことに、大きな意義があったのである。

私は毎回、「ローソンの現状と展望に付いて」スピーチし、また懇親の雰囲気を盛り上げ、皆さんのポジティブ思考を高めることに注力した。

《人生設計セミナーでのスピーチ要旨》

これらの人生設計セミナーでの私のスピーチの基本要旨は、

【 21世紀を目前に、歴史的構造変化の時代を迎えています。

その中で、あらゆる分野で新旧の交代、優勝劣敗等の二極分化が進行しつつあります。

全体として好調を続けてきた我々のコンビ二業界においても、個店間の格差拡大と云う形で表れ始めていると思います。

私は、お店は次の五つのタイプに分類できると考えています。

1・絶好調型のお店、2・堅実成長型のお店、3・現状維持型のお店、4.ジリ貧型のお店、5・ドカ貧型のお店、です。

この差はどこから来るのでしょうか。

お店の業績には、立地条件、競合条件、本部のサポート力など、いろいろな要因がありますが、最も大きい要因はオーナーさんの経営姿勢にあると思います。

地域に対する「ホツトステーション」としての熱き使命感、一生懸命な店舗オペレーションの姿、クルーさんとの明朗なチームプレイなど、オーナーさんのプラス思考の経営姿勢は、日々の積み重ねの中で、必ずお客様に伝わるものです。

個店の業績は「オーナーの経営姿勢で決まる」と心に決めて、日々を地道に勝ち抜いて参りましょう。 】

と激励鼓舞するものであった。

<セミナースピーチ要旨のメモ書き>

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