健康ニュース 4月1日号 「ユマニチュード」とは・・

     

隣家のインテリ夫人「親友のお母さんが認知症との診断結果が出たらしいのです。友人が戸惑っているのですがどうアドバイスをしてあげるといいのか教えてください」

隠居中の大御所 暈穀菜「認知症と言っても色々なタイプがあるからね。まず言えることは認知症になったからといって、何もできなくなるわけではないということ。自分でできることはどんどんやってもらうことが大切で、やれることを危ないからと言って取り上げてはいけない。そうだ、今どんどんと広まっているユマニチュードを理解しておくといいかもしれないな」

隣家のインテリ夫人「ユマニチュードですって?それはどういうことですか?始めてお聞きしましたわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「新しい認知症ケア技法としてどんどん世界的に広まっているのだがね。フランスのジネストさんという病院職員が考案したケア技法だよ。いま日本でも医療現場やメディアが注目し始め広がっている。本屋に行けば解説書なども出ているよ。周りに認知症の人がいるならば必読書と言ってもいいな」

隣家のインテリ夫人「友人には早速言っておきますわ。私のボランティア活動に役立ちそうですね。すぐ本屋に行ってみますね」

隠居中の大御所 暈穀菜「今日はやけに素直じゃないかい。嵐でも来ないといいがね。わしも先日買ってきたばかりだから少し解説してあげよう。まずユマニチュードは四つの基本で出来上がっている。最初は、見るということだ。必ず相手の目を見ること。それもできれば患者の目線を介護者は下から見てあげること。最低でも同じ目線の高さを守ること。次が話すことで、目線があったら数秒以内に話しかけることが大切ということだよ。体を清潔にするために拭いてあげるときも気持ちよくなりますよ、などと語りかけるような姿勢が、当事者には仕事や作業でなく自分のためにやってくれているという気分になるということだ。3番目は、触れるということで、認知症の人との人間関係をより向上させるためにはボディタッチは効果的と言っている。それも本人の背中や手、顔をやさしく触れるようにしてあげることで安心感を持ってもらえるとのこと。間違っても無言で急に触ることは不信感を与えるといっているね。最後は立つということ。わしも今まで間違っていたのかなぁと思ったのだが、体の弱った者が座っていて、誰かが来た時に座ったままで良いよ、というのが親切心と思っていた。ところがこれが間違いというのだよ。立ち上がろうとするなら出来る限り立たせろと言っている。なぜなら立たないとどんどん骨が弱ってきて、寝たきりへの道へ進むというのだ。本人も自分の足で立つことが自分の尊厳を保つと考えると言っている。ワシも目からうろこが落ちたね。認識を新たにしたよ」

隣家のインテリ夫人良いお話をありがとうございます。早速お友達に伝えますわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「役立ってうれしいよ。では名残の夜桜を一杯やりながら楽しもうかね。風が吹くとお終いだからね」