カンロ「ホップ」にのど炎症原因菌の殺菌効果 確認
執筆者:shirai
カンロは、同社の「KANRO R&D 豊洲研究所」にて行ったハーブに関する研究の結果、ハーブの一種である「ホップ」が、のどの炎症を引き起こす「A群溶血レンサ球菌」(Streptococcus pyogenes、以下A群溶レン菌)に対して、123種のハーブエキスの中で最も強い殺菌力があることを確認したことを発表した。1981年に食品菓子業界で初めて「のど飴」を発売し、のど飴のパイオニア企業として、のど飴には欠かせないハーブの研究を行ってきた同社は、2015年、東京都江東区にハーブ研究の専用環境を整備した同研究所を設立。ハーブに関する研究を強化してきた。今回の研究では、発赤(赤くなる)、熱感(熱を帯びる)、腫脹(腫れる)、疼痛(痛む)など、のどの炎症反応がA群溶レン菌がのどの粘膜から侵入し、侵入された生体がA群溶レン菌を排除しようとして起こることに着目。ハーブがA群溶レン菌に対してどのような働きをするかを明らかにするため、123種のハーブを用いた「試験1」を行った。試験1では、A群溶レン菌を寒天培地に植え付けた後に123種のハーブエキスを各々ろ紙に添加。37℃、5%CO2の条件下で数日培養した後に、A群溶レン菌が生育できない領域である「阻止円」の有無と大きさを確認した。その結果、「ホップ」を含む11種のハーブエキスについて大きな阻止円を認め、A群溶レン菌に対する抗菌力が確認できた。さらに、試験1において抗菌力が確認された11種のハーブエキスを使用した「試験2」を実施。試験2では、107個/mlのA群溶レン菌とハーブエキス各自を試験管に入れ、37℃、5%CO2の条件下で数時間培養した後、A群溶レン菌の生菌数を確認した。その結果、その結果、「ホップエキス」の殺菌力が最も高いことが分かった。独特の苦みを持ち、一般的にはビールの原料として使用されているホップは、経験的に「雑菌の繁殖を抑え、ビールの保存性を高める働きがある」ことが知られている。【カンロ研究開発WEBサイト:https://www.kanro.co.jp/RandD/function/herb_extract/ 】