健康ニュース 4月15日号 便利は不衛生!
都内の学士会館というホールで勉強会があり参加してきました。休憩時間にトイレを使用した時、ハンドドライヤーには次のような張り紙があり、使用できませんでした。
「ウイルスなどの飛散防止対策として、エアータオルの使用を一時中止とさせていただきます。(中略)ペーパータオルをご利用ください。 学士会館」
これを見てさすが一流の会館だ、と納得しました。
昨日も今日も止まる気配のない新型コロナウイルス肺炎騒動です。いつまで続くのか考えただけでもうんざりします。そんな中で様々な情報が飛びこんできます。新しい情報についてあれこれ言うよりも、生活に密着した情報を見直すことも忘れてはいけない大事なことではないでしょうか。
ハンドドライヤー、ジェットタオルといった類いの機械が、空港、デパート、レストラン、ホテルなどには設置されています。用を足した後の便利な手洗い関連器機として普及したのでしょう。ある会社の最新調査情報によると、トイレ利用者の70%近くが利用しているとのことです。
しかし当初から、この種の機械は、ハンカチやペーパータオルで手を拭くよりも30倍近くも周囲に細菌をまき散らす、と警鐘を鳴らし続けている学者もいます。
その水滴は、器具の上の方には30㎝、左右には55~75㎝も飛散しているという調査報告もあります。手についていた細菌を拡散するというのですから、考えただけでもゾットします。
半面、菌の数としては大したこともない、という説もありますが、細菌は水気さえあれば増殖するということに異論をはさむ学者はいないようです。とするならばこの種の機械は本当に必要なのでしょうか。こんな疑問をずっと持ち続けていました。
最近分かったことに次のことがあります。
国立感染症研究所の発表には、「新型インフルエンザ対策行動計画として、手拭き用温風ジェット機などによる、手洗い後の乾燥機使用は禁止」と明記されています。
さらに注目したい点は、トイレのドアノブとハンドドライヤー底部の菌についての報告です。ドアノブには数十個から数百個の菌数であったのに対して、ハンドドライヤー底部のそれはなんと1000個以上に達していた、ということです。
ハンカチやタオルなどは、菌を発散させず他人に迷惑をかけませんが、温風ジェット機などはノロウイルスなど飛散させる恐れがある、ということです。特にトイレなどにおけるこの種の機械は、1日に1回以上手入れをする必要があると、健康安全研究センターでは発表しています。はたして大勢の人が利用する駅などのトイレのこの種の機械を、1日1回以上の手入れ清掃をやっているのでしょうか。レストランなどが実施している清掃した人の名前と時間を表示してあるのを見たことがありません。
前の人のハンドドライヤー使用後15分ほど経過後なら安全というデータもありますが、多くの現代人には非現実的です。清潔な手洗いには、指、爪など手全体を石鹸で洗い、流水で流し落としタオルなどでしっかり拭き取る。昔風が今も通用するのではないでしょうか。
*その後10か所ほどのシティホテル、著名会館などを調査してみました。その結果すべてでハンドドライヤーは使用が禁止となっていました。これを機会に全面的に禁止すべきではないでしょうか。