丸紅「デンマークにおけるサーモン養殖事業」参画
執筆者:motoe
丸紅は、日本水産の100%子会社である Nippon Suisan(Europe) B.V.(以下、「ニッスイヨーロッパ社」)と共同でデンマークの Danish Salmon A/S(以下、「DS社」)の株式66.7%を4月15日付で取得し、子会社とすることで欧州におけるサーモンの閉鎖循環式陸上養殖事業に参入する。新興国を中心とした食生活の質向上や、先進国におけるヘルシー志向の高まりにより、世界の水産物需要は年々拡大している一方で、天然漁獲量はこの30年間ほぼ横ばいで推移しており、養殖水産物が需要の拡大を支えているのが実情。その中でもサーモンは海面養殖に適した沿岸地域が限られていることから、養殖地域に地理的制限を受けない閉鎖循環式陸上養殖(以下、「RAS」:Recirculated Aquaculture System)の拡大が特に期待されている。RAS は水質汚染や養殖魚の流出といった、周辺環境や生態系への影響が小さい養殖手法であり、将来的な人口増加に伴うタンパク質の供給不足解消の有効手段としても有望視されている。DS社は、サーモンRAS事業において世界トップレベルの生産実績を有しており、同事業分野での製造ノウハウ・技術を確立した数少ない企業の1社。丸紅は、世界各地で養殖事業の豊富な実績を有しているニッスイヨーロッパと共同でDS社の株式を取得し、欧州におけるサーモンRAS事業を拡大するとともに、DS社の製造ノウハウ・技術を活用して、欧州域外でのRAS事業展開も視野に入れていくという意向だ。【DS社概要】■会社名:Danish Salmon A/S(ダニッシュ・サーモン) ■所在地:デンマーク ヒルツシャルツ ■設立年: 2009年 ■事業内容:サーモンの陸上養殖・販売 ■生産数量 :1,000 トン (2019年) 【ニッスイヨーロッパ概要】■会社名:Nippon Suisan (Europe) B.V. ■所在地: Ouderkerk, The Netherlands ■設立年:1988年 ■資本金:13.6 万ユーロ ■株主:日本水産株式会社 100%