キリン・ファンケル「嗅覚機能・自律神経活動」共同研究

      執筆者:shirai

キリンホールディングスキリン中央研究所は、2020年11月22日からファンケルと静岡県浜松市の三者で協働し、浜松市民を対象とした「嗅覚機能・自律神経活動と気分・ストレスの関連性を探索する調査研究」を開始した。同件は、2019年に資本業務提携を行ったキリングループとファンケルの共同による取り組みの一環で、「脳機能」に関する社会課題の解決を目指した共同研究を進めている。超高齢社会の到来や昨今の社会環境の変化などにより、精神疾患の罹患者は増加しており、メンタルヘルスの維持やそのサポート体制の構築は重要な社会課題となっている。精神疾患は、受診時には症状が進行していることが多いため、日常生活の中で気分変動やストレスのかかった状態を把握し、早期に適切な対応を取ることが重要でるといわれているものの、気分の低下やストレスによる精神状態の悪化は自覚しにくいことから、日常的に簡便に測定できる客観的な指標が求められている。最近の研究では嗅覚機能、自律神経活動および唾液成分と、気分・ストレスが関連していることが報告されているが、日本人を対象とした研究は十分ではない。そこで、浜松市、市内の医療機関や大学、参画企業などと共に設立した「浜松ウエルネス・ラボ」を通じて、同市民の健康づくりに役立つ取り組みも行っているキリンとファンケルは、嗅覚機能・自律神経活動と気分・ストレスの関連性を調べる調査研究を行うことで、「健康」に対する未充足ニーズの解消を進めるとともに、浜松市民の健康増進や「予防・健幸都市浜松」の実現にも貢献していくことを目指している。【調査概要】浜松市民を中心に、香りの識別機能を評価することによる、嗅覚機能、自律神経活動および唾液成分の検査を実施。併せて、質問紙を用いて気分・ストレス状態との関連を調査する。 ■募集期間:2020年11月~2021年8月 ■対象者:40歳以上75歳以下の男女 (360名を予定)  ■内容:嗅覚テスト、自律神経測定、唾液回収、気分状態に関する質問紙への回答