サッポロ×ＩＢＭ「ＲＴＤ商品開発システム」テスト運用

サッポロビール（本社：東京都渋谷区、代表取締役社長：野瀬裕之）と、日本アイ・ビー・エム（本社：東京都中央区、代表取締役社長：山口明夫、以下、日本IBM）は、味覚コンセプトから味を創造する新たな商品開発スキームの実装を目指し、AI技術を活用したRTDにおける商品開発システムのテスト運用を実施。テスト運用の結果を踏まえ、今後両社は、2022年の実装にむけて、協議を進めていくという。サッポロビールでは、新しい楽しさ・豊かさをお客様に発見していただけるモノ造りを経営理念に、140年を超えるその歴史においてモノ造りの原点ともいえる研究開発に取り組んできたが、その中では、技術者の長年の経験による熟練技術を人から人へと伝承することが必要であり、またその技術習得に長い時間を費やすことも常であったとしており、こうした課題の解決にむけて、RTD新商品開発のDX化への挑戦としてAI技術を活用した開発商品レシピ作成のテスト運用を日本IBMと共に実施。日本IBMは、顧客のDX推進に向け、データドリブンでの施策策定・実装支援に実績があり、今回、豊富なDX事例の実績を持つデータサイエンティストやコンサルタントが中心となり、企業内に蓄積されたデータの分析と、AI予測エンジンの導入を支援を行ったという。このシステム構築では、まず、商品開発システムのアルゴリズム作成にあたり、過去のレシピの官能評価データと採用された香料の特徴に関する情報をAIに学習させ、次に立案された新商品コンセプトを元に香味特徴と目標とするプロファイルを画面に入力すると、AIが学習したデータをもとに分析し、目標とするコンセプト・香味プロファイルに合致するレシピ（推奨配合骨格と推奨香料）が出力されるというもので、今回のテスト運用では、出力された配合に基づいてつくられた試作品は立案されたコンセプトに合致した良好な香味であることが確認できました。また、レシピの検討時間が従来と比較して50%以下に削減される成果も得られたとしている。日本IBMの支援によるこのAIを活用した開発システムを通じ、長年の経験を要した熟練技術の伝承が実現されるとともに、新商品のレシピを効率的に考案することが可能になることが見込まれれ、さらには膨大な配合データを駆使した新たな味づくりなど、従来の手法では実現できなかった新規性を付与したレシピが考案されることで、人では思いつかない創造性を伴う商品レシピへの期待も大きいとしている。