第758話 盟友平林知人君の思い出

     

 われらが盟友平林知人君が急死して3年目を迎える。彼は手がけた活動が多岐にわたっていたので惜しむ人もかなり多いと思われたが、このコロナ渦では大勢が集まってもらうわけにはいかない。やむなく江戸ソバリエ北京プロジェクトだけで三回忌を行うことにした。
   声かけは平林さんと名コンビだった高橋正さん、会場は江戸ソバリエの店「北池袋長寿庵」
   交流が広かった彼にはエピソードも多い。
   北池袋長寿庵の「特製鍋」と、北川育子さん手作りの「押し寿司」、「大根の漬物」、さらに「蕎麦饅頭」と、佐藤悦子さん手作りの「ビスコッティ」を頂きながら、赤尾さんが準備してくれた動画も交え、話の花を遺影にたむけた。
   ふりかえると彼に教わったことは多かった。表向きは冗談ばかり言っていたが、その実、絶対相手を否定しないし、話す相手の順番や内容も考慮するほどの気遣いの人だった。だから、多くの人に好かれていた。
   3回にわたる北京プロジェクトのスタートも平林知人君が「行こう」と言ってくれたので、実現した。

☆2018年3月「第一次北京プロジェクト」
   「日中和平友好条約締結40周年」を機に「第一次北京プロジェクトを結成
   参加者:寺西恭子、平林知人、高橋正、北川育子、赤尾吉一、佐藤悦子、菊地佳重子、ほしひかる、8名
  ・中日蕎麦学検討会(北京「蕎麦人」にて)
  ・北京市海淀外国語実験学校にて蕎麦打ち教室開講
  ・北京外国語大学日本学研究中心にて蕎麦打ち教室開講
    『そばもん』全20巻寄贈

 ☆2018年11月「第二次北京プロジェクト」
   参加者:平林知人、高橋龍太郎、一ノ瀬静男、赤尾吉一、佐藤悦子、木崎利江子、ほしひかる、7名
  ・第1回中日蕎麦産業発展フォーラム開催(北京市蟹島グリーンリゾート村にて)
  ・承徳市にて日中蕎麦交流(刀撥麺、白蕎麦など体験試食)

 ☆2019年11月「第三次北京プロジェクト」
   参加者:高橋正、高橋龍太郎、赤尾吉一、佐藤俊司、佐藤悦子、木崎利江子、ほしひかる、7名
  ・第2回中日蕎麦産業発展フォーラム開催(北京市蟹島グリーンリゾート村にて)
  ・貴州省にて日中蕎麦交流(苦蕎麦畑見学、黒苦蕎麦など試食)

◎平林さんの思い出話をしていると、前回の北京行で食べた旨味たっぷりのトマト鍋の味をふと思い出した。「あのとき口にした味がふとよみがえる」というようなことは人間だからできることで、高度なAIでも情報処理はできないそうだ。同じように故人の思い出というのも人間にしかできないだろう。
  この度のコロナ渦というのはそういう人間味の発揮を抑制してしまった。一日も早くゼロコロナの日を迎えて、また仲間と旅に出たいものだ。

写真:左から佐藤(俊)、一ノ瀬、佐藤(悦)、北川、高橋、ほし、赤尾〔敬称略〕

〔江戸ソバリエ・北京プロジェクト ほし☆ひかる〕