健康ニュース 1月15日号 肺炎の最新情報

     

 小紙12月15日号(前号)で、「視力も含めて眼の機能が衰えたとか骨密度が低下したという時には手軽に使えるサプリメントや保健薬がありますが、肺の機能が衰えた時のサプリメントなどは無く、その開発が待たれます」という主旨の記事を書きました。 

 例えば、少し激しく動いただけで息苦しくなったとか、今までは一気に登れた階段が一息入れないと登り切れなくなったなどの経験は、高齢者と言われる世代の方ではどなたでもお持ちでしょう。

 これらの現象は肺機能の衰えと言えます。衰えた肺機能を元に戻すことは不可能ですが、現状を少しでも長く維持し続けたいという願望が叶うサプリメントや一般大衆薬は上市されないのでしょうか、という内容でした。

 小紙の読者層には、サプリメント関連業者の方も多くおられますが、複数の方から次のような最新情報が届きました。

 その共通した内容は、「最近発表されたニュースによると北大西洋沿岸に生育する海藻の一成分に、肺細胞の免疫力を高める成分があることが立証された」というものでした。

 早速、情報収集を始めた結果、おおむね次のことが分かりました。

・北大西洋沿岸に生育する海藻「アスコフィラム・ノドサム」に含まれる多糖体でアスコフィランと称しているもの。

・海藻としては極めて長寿で、普通で5~10年程度、最大では16年近い生命力があるということ。ちなみに昆布のそれは2~4年程度であり、わかめは1年位とのこと。

・海藻ではフコイダンが機能性成分として良く知られていますが、アスコフィランの構造や組成は異なっているとのこと。

このアスコフィランが、何故肺の機能劣化対策と言えるのかについても調べてみました結果、おおむね次のことが分かりました。

・加齢とともに低下する肺の免疫機能は、肺炎などの感染症の引き金となりますが、アスコフィランは肺組織の免疫細胞を活性化する。

・動物実験で、この素材の肺に対する免疫機能効果が確認された後、ヒト試験でも免疫機能を元に戻そうとする作用が確認できたとのこと。

 具体的に考えてみました。その結果分かったことは次のことでした。

 肺炎などの呼吸器疾患で衰えた肺の免疫機能を活性化するということ。

つまり長年にわたり求め続けてきた、肺の栄養サプリと言えるのではないでしょうか。

NHKの「きょうの健康」という番組では次のように語っていました。

「肺炎になりやすい人」は

・75歳以上の高齢者

・肺、気管支など呼吸器の持病のある方

・心臓、肝臓、腎臓の持病のある方

・ガン、関節リュウマチなどの持病のある方

更に数多いデータの中から興味深いレポートを見つけました。

 この海藻が生育する北大西洋の国々、オランダやスエ―デンの肺炎死亡者は、日本の肺炎死亡者よりも非常に少ないことです。この北大西洋沿岸の国民がどれほどこの海藻を食生活に取り入れているかについてはまだ明確ではありませんが、何か期待したいものがあるのも間違いないところです。

 肺炎球菌など、肺炎の原因となる細菌が高齢者の肺組織に侵入したとき、免疫機能に異常を知らせるシステムが若い世代同様に機能するという大きな期待が持てる機能性海藻素材であることは間違いないでしょう。