健康ニュース 9月1日号 高齢者と8029運動!
隠居中の大御所 暈穀菜「良いところに来た。質問があるのだがね・・・」
隣家のインテリ夫人「難しいこととか変な質問は嫌ですよ。何ですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「だいぶ前に歯の8020運動について話したことがあるよね。では8029運動って聞いたことがあるかな?」
隣家のインテリ夫人「歯でも足でもないのですね。何かしら?80歳になっても29歳の気持ちを持とう!なんてことではないですよね」
隠居中の大御所 暈穀菜「これは2018年に千葉県歯科医師会が提唱したキャンペーンで、80歳になっても健康でいられるように肉をもっと食べましょう!という提案だよ」
隣家のインテリ夫人「初めて聞きましたわ。言っていることは何となく分かりますが・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「今年の5月に発表された健康日本21では、2040年までに健康寿命を3年延し男性は75歳以上、女性は78歳以上を目標とすると言っているよ。最新の健康寿命は何歳か知っているかな?男性は72.68歳、女性は75.38歳だからね」
隣家のインテリ夫人「健康寿命を延ばすためにはお肉を食べる必要があると言うわけですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「そうだよ。高齢者はどうしても食が細くなりがちでその傾向を、歳だから仕方ないと考えていたらどんどん痩せていく。その結果サルコペニアになっていくのだね」
隣家のインテリ夫人「サルコペニアというのもよく耳にしますが詳しく教えてくださいよ」
隠居中の大御所 暈穀菜「おや!どうしたのだい?体の具合でも悪いのかな?そんな率直に質問されると気持ち悪いな。でもサルコペニアの意味も知っておいて損はしない。ギリシャ語で肉のことをサルコと言う。そしてぺニアとは喪失という意味だからサルコペニアとは筋肉の喪失という意味になるね」
隣家のインテリ夫人「筋肉の喪失ですか・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「分かりやすく言うと、高齢者が少しでも体重が減ってきたら、働いていた時の体重減とは違うから注意しなさいということだ」
隣家のインテリ夫人「・・・?」
隠居中の大御所 暈穀菜「働き盛りの時の体重減は、間違いなく体脂肪が減ってきた結果と思って良いだろうね。ドクターや保健婦さんから減量しなさい、と言われることは、体脂肪を減らしなさいということを意味している。だが高齢者の体重が減ってきたということは、筋肉量が減ったということに他ならない。この筋肉量が減るということはフレイル状態になっているということだ。だから肉を食べて、つまり動物性たんぱく質を摂ってフレイル対策を忘れるなということだよ」
隣家のインテリ夫人「分かりますが、父は昔からコレステロールが高いと気にしています。父のような高齢者は多いと思いますが・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「日本動脈硬化学会では、高コレステロール血症でなければコレステロールの多い食品を控える必要はない、と発表しているから少しぐらい高くても大丈夫だよ。心配ならかかりつけの医者に相談すると良いね。少なくとも年寄りだから肉よりは魚のほうが良いという考えは改めるべきだね。その理由?年寄りはどうしても食べる量が減ってくる。効率良くたんぱく質を摂るには魚より肉が良いというわけだね。たんぱく質の栄養状態を示す血中アルブミン量が示しているよ。そうだ!健康な体を維持するためにぴったりな焼き鳥を買ってある。親父さんも呼びなよ。久しぶりにビールで乾杯しよう。8029運動の即実践だ!」