キリン「バイオ炭でGHG削減と収量向上」確認
執筆者:shirai
キリンホールディングスは、ビール大麦の試験圃場にバイオ炭を施用することで、GHG(温室効果ガス)排出量の削減と生産性向上の両立を確認したと発表した。研究成果は日本農芸化学会2026年度大会で報告された。本研究は、栃木県農業総合研究センターおよび早稲田大学との共同で実施。もみ殻由来のバイオ炭を圃場に施用し、物理・化学・生物の各側面から効果を検証した。その結果、炭素固定量は約0.1~0.5t-CO₂/10aと推定され、GHG排出量削減への寄与が示唆されたほか、土壌中の炭素量や養分の増加、有効水分の向上、土壌硬度の低下などの土壌改良効果を確認。さらに、収量についても3~11%の増加傾向が見られた。加えて、特定の細菌や真菌の増加により土壌微生物バランスの変化が確認され、養分循環や植物生育を支える機能の向上も示唆された。一方で、麦芽品質や醸造品質への影響は見られなかった。これらの結果から、バイオ炭の施用は、環境負荷低減と農業生産性の向上を同時に実現する技術として有効性が確認された。キリンは今後、他作物や農地への展開も視野に入れ、持続可能な農業の実現に向けた取り組みを進めていく。