食の食(3) 越前・大野の上庄里芋(9/29)
執筆者:編集部2
友人と福井へ名物「おろしそば」を食べに行った。
この時期、大野平野の田園は一面に黄金の稲と純白のそばの花が連なり広がっていた。福井県産のそば収穫は年々拡大し、今や全国でも上位にランクされている。在来種の育成に成功し、質の高いそばがとれている。
朝昼夕と2日間とも「そば」の名店を食べ巡った。どこの店も特徴あり、すばらしい出来、それはそれは満足した。
そば屋のどの店もつきだしとして出てきた「里芋のにっころがし」が抜群にうまかった。それもそのはず。ここの大野上庄里芋は有名で人気高い。
小ぶりで固く、煮崩れせず「にっころがし」には最適である。食べると中はねっとりし、口中に広がる土の香り、出汁がしっかり味がついている。
朝市の農家のおばさんに聞くと、ここの風土は昼夜の寒暖差が激しく、うまみが増すこと。土壌は鉄分が豊富に含んでいて、うまみを出し、この地域は名水百選に認定されているので、湧き水もあちこちにでるなど環境条件が極めて里芋づくりに恵まれているらしく、大昔から伝統野菜としてどの農家も栽培しているとのこと。
さっそく街の中心の七間朝市で里芋を買ってきた。