健康ニュース 2月1日号 豆まきの意味するもの・・・

     

隣家のインテリ夫人「孫が来ますので今年の豆まきは賑やかになりますわ。先生もご招待しますので是非来て下さいな」

隠居の大御所 暈 穀菜「ありがとう。でも鬼の役になるのはまっぴらごめんだよ。そうだ豆まきが終わった後、一杯やりながら孫たちに豆まきの意味などを教えてあげようかね」

隣家のインテリ夫人「豆まきの意味?厄払いでしょう。今年は良いことがありますようにという意味ではないですか」

隠居の大御所 暈 穀菜「では質問だがなぜ大豆なのかね。小豆ではダメなのかね。そういうことを孫たちにも知って欲しいのだよ」

隣家のインテリ夫人「えっ、昔から大豆と決まっていますし、考えたこともありませんわ」

隠居の大御所 暈 穀菜「伝統行事だからというだけでなく、その意味も知っておいてもらいたいな。では一つ講釈を垂れるから聞いておくれ。なぜ大豆かというと、大豆以外の豆類は煮ないと食べることが出来ないよね。小豆もそら豆もそうだね。大豆だけは煮ないで、炒って食べることが可能だろ。この炒るは掛詞(かけことば)で、射ると同発音だね。鬼退治には煮た大豆でなく炒った大豆でなければダメな意味が分かっただろう」

隣家のインテリ夫人「なるほどね、と納得ですわ。そんな意味が隠されていたのですね」

隠居の大御所 暈 穀菜「もう一つ聞いておこうかね。なぜ大豆を使うと思う?石ころを鬼に投げればいいではないか」

隣家のインテリ夫人「そんなことを急に聞かれても・・・」

隠居の大御所 暈 穀菜「鬼は(おに)と発音するが、これは陰(おん)に通じると言われている。陰は目に見えない気や邪気を意味しているのだね。つまり邪気払いの対象として鬼があるわけだが、鬼が君の家に入ってこなくするためにはどうするといいと思うかね」

隣家のインテリ夫人「そんなことを考えたこともありませんわ」

隠居の大御所 暈 穀菜「子供でも分かるが鬼の目を見えなくすること、つまり鬼を目つぶしにすることだ。鬼の目を見えなくするに炒った豆で目を射ること。これは子供でも理解できるよね。次に鬼のことだが、仏教の世界では、睡魔とか病魔といった魔を呼び込むのは、鬼の仕業という教えがある。つまり鬼=悪魔というわけで、悪魔(あくま)の目(め)を射るには豆が必要となったわけだな。石ころではだめという意味が分かっただろう。子供たちがより一層豆まきを楽しんでもらうためにはこんな話を聞かせることも大事だよ」

隣家のインテリ夫人「子供だけでなく大人も楽しみ方が変わるかもしれませんわね。整理して言って見ますわね。豆まきに炒った大豆を使うのは、悪魔としての代表格、鬼の目を射るため、ということですね。そうそう、炒った豆で食べることができるのは大豆だけということも忘れてはだめですね」

隠居の大御所 暈 穀「よくできました。豆まきが終わったら焼いたイワシで一杯やろう。鬼はイワシの臭いが大嫌いというからね。酒は、鬼殺しという銘柄がいいな」