キリン「性的マイノリティ」に関する取り組みについて
執筆者:shirai
キリンホールディングスは7月1日より、社員の行動規範を具体的に定めたコンプライアンス・ガイドラインにおいて、性別、年齢、国籍などと併せて、性的マイノリティ(以下、LGBT)の性的指向・性自認について不当な差別や個人の尊厳を傷つけない旨を明確化するガイドライン改定を行うことを発表した。
これまでキリングループは、採用面接官の理解促進への取り組み、外部相談窓口の設置、経営陣による社員に向けたメッセージの発信や人権研修などLGBTに係る取組みを行ってきた。
また、性的指向や性自認にかかわらず、差別や偏見にさらされることのない社会の実現を目指す特定非営利活動法人東京レインボープライドによるイベントに、同グループ直営の体験型ブルワリー併設店舗「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)」が出展するなど、人々とビールの多様性の訴求を行っている。
今回の改定は、人権を尊重し、多様な人材の持つ能力を生かす組織風土をつくることで、「価値創造を実現するための組織能力」の一層の向上につなげるためのもの。
日本綜合飲料事業を構成するキリン、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの就業規則を改定し、これまでは法定の配偶者や親族を対象としていた慶弔休暇・手当・社宅制度などの各種社内制度を、同性婚、事実婚についても対象とすることとする。
また、失効した年次有給休暇を、育児・介護、ボランティア、不妊治療といった特定の目的について利用できる積み立て休暇制度を、性同一性障害の社員がホルモン治療、性別適合手術といった医学的措置を受ける際に利用できるようになる。
今後は、LGBTを題材とした外部当事者を招いた社内ワークショップの開催のほか、一般社員のみならず、産業医、保健師、社内ハラスメント相談担当者、人事担当など専門的支援を担うスタッフを対象とすり研修や情報発信などを行い、LGBTへの理解向上を図るとともに、同社内の当事者が本制度を有効に活用できるサポート環境を整備していく方針。