<コンビニ創業戦記「鈴木貞夫言行録」>(第34回)
第5章・ソフトべブレーン・フィ―ルド時代(その14)
『フードボイス「食品経営者情報交流会」定例セミナー・講演』
――2018・7・10・於学士会館
テ―マ<鈴木貞夫政談・「日本指導層の堕落を憂う」要旨>
私の人生を振り返ると、戦争と因縁が深い。 生まれたころから、満州事変,支那事変、太平洋戦争と続き、高校時代に朝鮮戦争、大学時代に米ソ冷戦、社会人となり百貨店戦争、コンビニ戦争と続いてきて、もう戦争はこりごりの心境である。
今の日本を見ていると、戦争を知らない世代、戦争を勉強していない世代が政治に当たっている。
今の政治家は、日本の亡国のどん底の原因を作った戦争の時代を余りにも知らないし、学ぶ気が無いような気がして腹立たしい。
今日はその思いをぶつけたいが、レジメ通りに話すと3時間以上かかるので、次の3点に絞りお話したい。
「スローガン乱発政治」「種子法廃止は大問題」「公共水道民営化の愚策」の3点である。
初めに、「目に余る政官の倫理崩壊」について述べたい。
安倍一強・経産省内閣の弊害は「スローガン乱発政治」である。
経産省8人のサムライの忖度競走による個人プレーが、国家戦略の名のもとに「見せかけの政策」を積み重ねてきた。
「モリ・カケ」問題にみるエリート官僚の忖度競走と無責任競走は目に余り、今や企業、スポーツ界、教育界など社会の隅々まで波及している。
株式会社に例えると、社長から役員、幹部までが平気で嘘をつき、全く責任を取らず、株主には全然信頼されていない企業だ。
Ⅰ・「実績無き内政」
*日銀の出口なき異次元金融緩和は、財政破綻の恐怖をいや増している。
*財務省は借金つけ回しの財政再建計画・公文書の改ざん隠蔽などで信頼は地に落ちている。
*経産省は、経産省内閣のスローガンの積み重ねで空疎なアベノミクスの実態を露呈している。
肝心のエネルギー計画は、無為と無策にとどまっている。
*防衛省・日報隠蔽、シビリアン・コントロールは危機的状況にある。
*文科省・東京医大不正入試問題など、教育の根本を見失っている。
*農水省は、食糧安全保障の根本的危機に小手先対応しかしていない。
――『種子法の廃止は大問題』――
昭和27年種子法(主要農作物種子法)が制定されたが、これは戦中戦後の食糧難への猛反省と国民を2度と飢えさせないとの決意の結昌であった。
以来、各都道府県農業試験場が地域に応じた優良な品種を全国で約300品種を開発してきた。
ところが、安保関連法制定のどさくさの内に、平成29年4月「種子法廃止法」及び「農業競争力強化」法を成立させた。
その目的は、民間企業の金儲けのために、日本国民の財産である「種子の知見ノウハウ」を、民間に開放する目的であり、 海外メジャーへ流出するリスクが高まっている。
*世界の種子企業ランキング・1位モンサント(米)、2位デユポン(米)、3位シンジェンダ(スイス・中国)、4位リマグレ(仏)、5位ランドレイク(米)、6位KWS(独)、7位バイエル(独)、8位トリフォリュ―ム(スエ―デン)、9位「サカタ」(日)10位「タキイ」(日)
*厚労省は、労働力減少対策・少子化対策などの長期的展望を欠き、全く無策である。
働き方改革のごまかし、環境問題・核廃絶問題などへの不誠実な対応がある。
加えて、『公共水道事業の民営化案の愚策』を推進しようとしている。
現在国会に「改正水道法案」が審議継続中である。
既に2002年に小泉内閣において、水道施設の運用や維持管理業務を自治体が民間に委託可能に改正されており、広島県、埼玉県では下水道の維持管理を、千葉県と熊本県では上水道施設の維持管理をフランスの「ヴエオリア」が請け負っている。
現在提起されている改正案では、「水道料金の設定権」「利益を収受する運営権」まで包括的に民間企業に、委託できる事になる。
これでは、水道事業の心臓部、浄水場の維持管理から、水質検査、水道代の徴収までも民間企業に委託することになる。
水道料金の値上げリスクや水質の低下、設備の保全や海外企業への売却などのリスクが生じる。
世界では、アメリカをはじめ、水道事業の民営化をかなり早くから始めたが、現在では、世界で180もの都市が、民営化に失敗し、大変な資金コストと手間をかけて再公営化に取り組んでいるという。
世界1位の水メジャー・ヴエオリア(仏)は、1986年にパリ市の水道事業を請け負ったが、2001年解約され、今や再公営化されている。
この14年間で水道料金は2倍となり、パリ市民の不評を買ったからだ。
「水を制する者は世界を制する」という。
世界でトップ水準にある日本の公共水道を、金儲けの道具にしてはならない。
* 世界の水道事業3大メジャー企業、1位ヴエオリア(仏)、2位スエズ(仏)、3位テオリア(英)
Ⅱ・「理念なき外交」
*実体の無い国内向けの見せかけの外交、長期展望と戦略を欠いている。
①・「米国依存」の無策・トランプ頼りの空しさ
*「戦後レジームからの脱脚」「日本を取り戻す」と云いながら、真逆の対米従属への傾斜を強めている。
②・北朝鮮問題・対中問題・対ロ問題の無策
③・空回りと自己満足の外交に終始している。
Ⅲ・日本の進むべき道
①・平和国家の道に徹することだ
*時代は、軍縮競走、経済競争の時代から人道競争の時代へ大きく転換しつつある。
*共感と納得の政治を確立するべきである。
*独立性と持続性の確立に注力すべきである。
②・国連『SDGs」取り組みの先進リーダーを目指せ』
*「SDGsは、国連が2015年サミットで採択した≪持続可能な開発のための2030年アジェンダ≫である
*アイキャン・パリ協定・TPP・RCEPなどを共同推進することである。
③・日中及び日米との長期戦略軸を再構築する
*べ―シック・インカム制&マキシマム・インカム制の導入に真剣に取り組むべし
*テクノロジー、AIとロボティクスを正しく活用すれば人口減少の日本の未来がひらける
*そのために、思想と行動の変革を!東洋思想を見つめ直し、拝金主義から抜け出す道を探すべし
未来を考えるためには先人に学べ!
歴史に学ぶこと、日本の長所・短所をよく知ること、世界をよく理解することが不可欠である。
最後に <吉田松陰の遺訓>
『夢なき者に理想なし。
理想なき者に計画なし。
計画なき者に実行なし。
実行なき者に成功なし。
故に夢なき者に成功なし。』――吉田松陰
日本の指導層は、この遺訓を以って銘すべし。 以上
『朝令スピーチ事例集」⑬ 2018年度第3四半期①
「7月」
――2018・7・3――
全国の皆さんお早うございます。心のハイタッチを送ります。
九州は台風7号接近で大変ですね。十分に気を付けてください。
今日は『ソフトクリームの日』。
1951年(昭和51年)、米軍によるアメリカ独立記念日カーニバルで、日本で初めてソフトクリームが販売されたことを記念。
ロシア・ワールドカップ決勝リーグ戦、日本はベルギーに2-0と先手を取り、あわやと思わせましたが、3―2と逆転され敗れました。残念ですがよくここまで善戦健闘しました。侍ジャパンには、本当にご苦労様と声をかけたい思いです。
さて今日は、先週成立した「働き方改革関連法」のお話です。
この法律は、「残業時間規制」「同一労働同一賃金の実現」「高度プロフェショナルの導入」の3本柱です。当初の案にあった『裁量労働制』は事前に取り下げられています。
「残業時間」は、初めて罰則規定付きの残業時間の上限規定が定められました。
まだ甘いとは言え、残業時間の上限を明記したことは一歩前進です。
「同一労働同一賃金」については、日本の非正規社員の賃金は、正社員の6割程度であり、欧米の8割に比べて低いため、改善を図る目的です。
少子化対策の上からも期待が大きく、抜け道は許さない厳しい指針と監視が求められます。
『高度プロフェショナル制度』については、経団連などの要望で、残業代を払わずに長時間労働が可能な制度で、年収1075万円以上の専門職を対象とするというものです。
詳細は省令できめることになっていますが、なし崩し的に対象が広げられる恐れがあり、過労死推進だとして、国会で一番議論を読んだところです。
本当に求められるのは、コスト削減のための制度ではなく、働く人が自分で労働時間や
働き方を決められるような制度だろうと思います。
労使共に意識を変えて、時代のニーズに合う働き方を築き上げていく時が来ていると思います。
今日の発句は
『移転せし、廃校舎照らす フルムーン』
『南風強く 今年は早し 梅雨明けぬ』
『猛暑日や 昭和一桁 老いにけり』
『木の葉影 鴉も涼む 猛暑かな』
今週も≪お陽様顔出し『ワッハッハ!』≫で元気に行こう!
――2018・7・10――」
全国の皆さんお早うございます。心のハイタッチを送ります。
死者・行方不明者が215人を超える、平成最悪の豪雨災害が西日本を襲いました。
故郷が被害に遭われた方はいませんか。心からお見舞い申し上げます。
猛暑の中、復旧に大変だと思います。十分に気を付けてください。
今日は奇しくも、『国土交通の日』。
1948年「建設省」設置、2001年に「国土交通省」と改偏された日を記念。
また『納豆の日』。
関西での消費拡大を狙い、語呂合わせで制定。今、健康志向の納豆ブームです。
さて、猛暑を迎えて、今日は、「ファシリテ―タ―=促進者」のお話をします。
「ファシリテ―タ―」と云う言葉を聞かれたことがありますか。
「ファシリテ―タ―」とは、「職場の空気を作る促進者」いわゆるムードメーカーのこと。
日々の職場で、会合や会議で、皆が話しやすい、働きやすい「空気を作る役割」です。
「空気作り」のポイントは、「どんな意見も頭ごなしに否定しない」ことです。
笑顔で、穏やかに、一人一人の思いをうまく引き出しながら意見をすり合わせて,一体感と新しいアイデアを生み出していくことです。
命令や号令ではなく、自由な対話の場を作り出し、一人一人の良さを引き出していけるかどうかが、業績を大きく左右するものです。
全員が、チームメンバーの「働く喜びと元気を広げる」ファシリテ―タ―でありたい。
周りが元気だと、自分も元気になるものです。
だから自分が元気だと、周りを、現場を、元気にすることができるのです。
一人一人が、チ-ムメンバーを元気にする ファシリテ―タ―・促進者を目指して、日々努力を重ねて参りましょう。
今日の発句は
『人ごとか 豪雨災害 凍りつく』
『何事も 無きかのごとき 夏の空』
『バス停に 空き缶転がる 猛暑かな』
『小さき実 付けたるゴーヤに 朝の水』
今週も≪お陽様顔出し『ワッハッハ!』≫で元気に行こう!
―――2018・7・24ーー
全国の皆さん。お早うございます。心のハイタッチを送ります。
このところ毎日、最高気温を更新する暑い日が続きます。
くれぐれも体調にご注意ください。
今日は『河童忌』。芥川龍之介の命日。
京都『祇園祭山鉾巡行の日』。今年は異常な暑さのため中止とのこと。
大阪『天神祭宵まつりの日』
さて暑い最中、どさくさの内に国会が閉会しました。
前代未聞の不祥事が起きたのに、政治は責任を取らず、官僚に押し付けたまま、働き方改革法、カジノを含む統合型リゾート法、参議院定数改正法などの問題の多い重要法案を、審議不十分のまま強行採決で成立させました。
これにはさすがに、心ある自民党議員からも疑問の声が上がっています。
私の好きな番組・TBSテレビ22日の「時事放談」で、自民党・村上陽一郎議員が
今の政治への提言として「安倍首相への三つの直言」を述べていました。
≪安倍首相への『三つの直言』
1・道徳・正義ある政治・行政を行うべし
2・財政・金融・外交の戦略転換を図るべし
3・防災・格差の是正に力を入れるべし
政治は、言い逃れや責任転嫁は許されない。
政治哲学と政策で、堂々と戦うべきである。≫
全く正論であり、深く共感しましたのでご紹介します。
今日の発句は
『猛暑日や 命がけなる ゴルフかな』
『百日草 花広げたり 紅孔雀』
『日替わりで 記録の替わる 暑さ哉』
『シャワー浴び いつものアイス 二つ食べ』
今週も≪お陽さま顔出し『ワッハッハ!』で、元気に行こう!
――2018・7・31――
全国の皆さんお早うございます。心のハイタッチを送ります。
いつものコースを逆走する異例尽くしの台風12号でした。
先ほど、新しい昇格人事が発表されました。大変に嬉しいことですね。
心からお祝い申し上げ、皆さんのますますのご活躍とご成長をお祈りします。
チームとして担当するクライアントさんのご期待にお応えするため、キャストさんを始めとするチ―ムメンバー・一人一人の持ち味を、十二分に発揮して、最高のチーム・パーフォーマンス(≒クライアント満足)の実現に、挑戦していただきたいと思います。
さて今年は「日中国交回復45周年」、「日中平和友好条約締結40周年」記念
事業が、2017年1月から2018年12月までの2年間の日程にわたり、全国各地で開催されていますが、ご存じですか。
政治、経済、社会のあらゆる分野で、産業、貿易関連は云うに及ばず、学術、教育、芸術、芸能、民族文化、スポーツ、観光に至るまで、民間相互交流を中心に2年間の長期に亘り、日本及び中国の全国各地で企画推進されており、現在も進行中です。
日中国交回復は、45年前の1972年9月当時の田中角栄首相が訪中して実現。
日中平和友好条約は、その5年後1978年8月12日、福田康夫首相の時代に締結調印。
その間、日中間には、冷戦時代という国際的な壁と、歴史認識の問題と云う国内的大きな障害があり、交渉は難航しました。
最終的に、「主権・領土の相互尊重」「相互不可侵」「相互内政不干渉」の3条件を基に、
締結調印にいたったのですが、当時の先人たちの先見と労苦に感謝したいと思います。
これからの世界は、中国との平和友好関係を抜きにしては、円滑に進まないと思います。
記念事業のロゴマークは、「CJ・ハ―トマーク」で、注意して見ると見付けることができるかもしれなませんね。
今日の発句は
『赤阪の 夏の夜空に 白き月』
『緑陰に ひときわ高き 蝉の声』
『台風に 負けじと隅田の 大花火』
『猛暑日や スーパーマ―ス 接近す』
早いもので明日から8月。
今週も<お陽様顔出し『ワッハッハ!』>で元気に行こう!
『2018年度・第3四半期①・鈴木貞夫年譜』
「7月」
3日・幹部会議
役員ミーティング
10日・幹部会議
拡大役員ミ―ティング
フードボイス食品経営者情報交流会・講演
12日・SBF上期全体会議・総括スピーチ
13~14日・SBF社員旅行箱根(ホテル奥湯本泊)
18日・幹部会議
役員ミ―ティング
SBF・IPOキツクオフMT
監査法人MT
19日・第149回SC会――千葉CC野田C
24日・幹部会議
拡大役員ミ―ティング
25日・取締役会
監査役協議会
31日・幹部会議
役員ミ―ティング 以上
(以下次号「鈴木貞夫言行録」第35回に続く)
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