健康ニュース 10月1日号 TV番組の行方は?
隣家のインテリ夫人「夕べ、テレビで納豆は夕飯に食べたほうが良いという番組をやっていましたね。以前、先生からその話は間違いと聞いていますから、またやっているなぁと思って見ていました」
隠居中の大御所 暈穀菜「そうかい、少しは役立っているね。でもまだそんな番組をやっているとは、テレビもオワコンだな」
隣家のインテリ夫人「えっ?何ておっしゃいました?オワコンってどういう意味ですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「若い娘さんたちと同居しているのだろう?オワコンも知らないとは驚きだな。時代遅れといわれても仕方ないぞ」
隣家のインテリ夫人「知っている方のほうが少ないのではないですか?教えてください!」
隠居中の大御所 暈穀菜「オワコンとは、時代遅れとか化石化している状態をいうのだな。コンテンツ、つまり中身とか内容、情報内容という意味だが、それが終わったという意味で、ネット社会や若者世代では流行っている言い方だ。もっと具体的に言うと、テレビでの健康情報番組をありがたく聞くという時代は、すでに使命を終えているという解釈をしても良いかな」
隣家のインテリ夫人「おっしゃる通りあの健康番組は視聴率も最近では下がり始めているらしいですね。飽きられたのかしら・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「番組の内容もそうだが、スポンサーのコマーシャルにも問題点が多すぎる。最終的には自分で自分の首を絞めているみたいなもんだよ」
隣家のインテリ夫人「私は、コマーシャルは額面通りには受け止めていませんが・・・。どんな点がお気に召さないのでしょうか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「ある青汁業者のコマーシャルでは、一杯中に乳酸菌が100億個(入っている)と強調している」
隣家のインテリ夫人「でも本当に100憶個入っているとしたらすごいではありませんか。もちろん数えたわけではないでしょうけれども、理論上なら問題ないのではないですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「あの業者は、腸内細菌の数がどれぐらいだと思っているのかね。少し前まで腸内細菌の数は、100兆個と言われていた。それゆえ一杯で100億個の乳酸菌をとれることは素晴らしいと思っても不思議ではない。つまり全体の一万分の一を補給できていたのだ。これが多いか少ないかは別問題だ。菌の世界だからね、仕方ない。しかし最近の研究では、腸内細菌の数は1000兆個に達し、1800属、4万種という説が有力になっている。だとしたら100億個の乳酸菌をとったからと言って全体の10万分の1程度なのだよ。それを100億個という数字だけを強調するのはいかがなものかね。これほど多いのだといいたいのだろうが、本当は10万分の1ぐらいの補給にしかならないということを知ったら、それでも消費者は購入するだろうか?」
隣家のインテリ夫人「細かい数字まで追及されたのですね。私は100億個と言っているので、これだけでも十分と思いましたわ。とにかく数値が高いからと言って、すぐに飛びつくのは止めますわ」
隠居中の大御所 暈穀菜「そうするのが良いね。おや、もうこんな時間だ。では乳酸菌いっぱいのチーズを食べながらビールを楽しもうかね」