健康ニュース　１１月１日号　高血圧対策新標語

隣家のインテリ夫人「父が高血圧でお薬を飲んでいます。だんだんと冷え込んできますので、家族で注意しようね、と話し合っているのですよ。先生からも何か良いアドバイスを頂けないでしょうか」

隠居中の大御所　暈穀菜「親父さんの歳から考えて家族で見守るっていうことは大変良いことだな。それでは最近届いた情報から素晴らしい標語を教えよう。高血圧予防のための標語というタイトルで、こうけつあつは、さようならさ、という標語だよ。この13文字のひらがなの一つ一つに、生活に密着した注意事項が折り込められているから面白いね。ワシもすぐ覚えたよ」

隣家のインテリ夫人「確かに覚えやすそうですね。メモの準備ができましたからお願いします」

隠居中の大御所　暈穀菜「ではよいかな、こうけつあつは、さようならさの最初のこは、濃い味の食事はほどほどに、だ。続けて言うと、うは、薄味に慣れて美味しく、ということだよ。以下けは、血圧は家でもちゃんと（測り）、医者に見せましょう。続いて、つは、つまらぬことにイライラしない。あは、熱い風呂には要注意。次のつは、冷たい飲み物要注意、と続いている。はは、腹には優しく食い過ぎ注意で、さは、寒い日、寒い場所要注意ということだ」

隣家のインテリ夫人「分かりやすい言葉ですね。これなら父もすぐ理解してもらえそうですわ」

隠居中の大御所　暈穀菜「そうだよね。続けて言うからね。よは、夜はしっかり眠ろうで、うは、運動で体をすっきり。なは、何でも食べようバランス良く、とある。続いてらは、楽天的に生きよう、ということ」

隣家のインテリ夫人「私でもすべて納得できますね。疑問もなく受け入れられますわ」

隠居中の大御所　暈穀菜「最後のさは、酒はほどほどに、たばこは吸わない。煙も吸わない。これで高血圧予防のための新標語が完成したのだよ」

隣家のインテリ夫人「素晴らしく分かりやすい、身近な評語ですわ。特に最後の、酒はほどほどには、先生もしかと受け止めてくださいよね」

隠居中の大御所　暈穀菜「ワシは血圧には十分気を使っている。今のところ一〇〇％心配はない、とかかりつけのドクターも言っていら心配していないよ。ところでこの標語について何か質問はないかな？」

隣家のインテリ夫人「もう少し詳しく知りたいのは、高血圧の人には冷たい飲み物がいけないということです。なぜ冷たい飲みものがいけないのですか？」

隠居中の大御所　暈穀菜「これからの時期、朝夕は日毎に冷え込んでくる。寒さを感じるとか冷たいものを飲むと血圧が上がるのだよ。それによって心筋梗塞とか脳卒中の引き金ともなりかねないからね。急に寒いところに出るとブルブルっと震えるだろう。同じようなことが体の血管で起こっていると思えばいいのではないかな」

隣家のインテリ夫人「父は起きたらすぐにコップ一杯の水を健康のためと言って飲んでいますが、気を付けるように言っておきますわ」

隠居中の大御所　暈穀菜「起床時は体内の血液がいわゆるドロドロ状態だから、水分補給は良いことだからね。でも蛇口をひねった水道水で十分だよ。わざわざ冷蔵庫の冷水を飲むことはないな。ではワシも健康のために冷酒をいただこうかね。付き合ってくれるよな」

＊「こうけつあつは、さようならさ」、この標語はNPO法人埼玉県健康管理士会会員の岡　章次さんのアイディアとして発表されたものです。