オーガニック協会「食の未来会議、チヤールズ皇太子の基調講演」

      執筆者:編集部

NPO法人オーガニック協会は5月4日ワシントンDCで開催された「TheFutureofFood(食の未来)会議」で、英国チヤ―ルズ皇太子の基調講演の日本語翻訳文を公開した。(スピーチ概要)。「地球の能力には必然的に限界があることを理解することです。今の私たちのように飽くこと無く地球を消費し続ける、このやり方を長期的に継続することは不可能だからです。資本主義は資本に依存しますが、私たちの資本とは究極的には自然資本の健康状態次第なのです。土壌の肥沃さを長期的に増すようにするしかない。なぜなら輸入された再生不可能な投入物を使って生産増量を達成する方怯は持続可能ではないからです。これが私たちのいる世界の現状であり、化石燃料や無機物肥料などの枯渇しつつある自然資本に深く依存するシステムに対峙しているのです。現在の工業化農業のほとんどは石油、天然ガス、その他の再生不可能な資源に大きく依存しています。ある研究では、典型的な西洋の食事を取っている人は、―日で約4,5リットルの軽油を消費しているのと同等だと概算しています。過去10年間で合成窒素化学肥料の価格は4倍、カリの価格は3倍に跳ね上がったことを考えると、依存を止めない限り、将来がどれほど不安定になるか分かるでしょう。しかも、これには輸送や加工など、消費者に届けられるまでの生産コストに必要な燃料価格の上昇の影響が計算に入っていない。本当の悪循環です」。

英国のチャールズは、自身が30年以上、経営するオーガニック農場やオーガニック食品プランドを通じて、世界中に持続可能な食のシステム、その解決法としてのオーガニック農業の実践を訴えている。文責、NPO法人オーガニック協会  代表理事 田村 安。電話03-5573-8143。