第512回 日本の蕎麦は中国三江生まれの江戸育ち

      2018/10/16  

江戸ソバリエ・ルシック第10回特別セミナーより

 江戸ソバリエ協会では、次の4名の先生方が蕎麦界の泰斗であると認識し、できるかぎりその勉強会を設けたいと思っている。
1.ソバの起原地を突き止められた京都大学名誉教授・大西近江先生
2.ソバ渡来の中継地点対馬のソバを調査された信州大学名誉教授・氏原暉男先生
3.室町時代の麺類を明らかにした伊藤汎先生
4.江戸時代の蕎麦の研究家・新島繁先生
大西先生と氏原先生は栽培ソバの起原と伝来について研究された。
伊藤先生は麺としての蕎麦の伝来について研究された。
新島先生は江戸の蕎麦について研究された。
この先生方のおかげで、われわれは蕎麦を楽しむことができるといってもいいと思う。
そんなところから、江戸ソバリエ協会では「日本の蕎麦は中国三江生まれの江戸育ち」と定義している。


さる10月13日にも、大西近江先生をお招きして「栽培ソバ中国三江起原説」についてのお話をうかがった。
皆さまからは、お蔭さまでいいお話を聞くことできたとの声がたくさん寄せられた。

お陰さまで生でじっくりと大西先生のお話を伺うことができました。
非常に勉強になりました。正にあっという間に時間が過ぎてしまい、可能であればさらに第2弾も是非とも先生のお元気なうちに実現願いたく存じます。
大西先生の熱意と努力にはただ頭が下がるばかりでした。
蕎麦の話はなんかロマンを感じました。植物の進化からすれば5000年経っても交配可能というところてす。楽しい時間でした。
貴重な大西近江先生のご講演に参加させて頂き、ありがとうございました。
至福の時間があっという間に過ぎてしましいました。
浅薄な知識で先生のお言葉を漏らさず聞き取るのは大変でしたが、理系の客観性と冷静な思考の裏にある古代浪漫の熱き思いを感じました。
大西先生の熱意には、只ただ脱帽です。
大西先生に対する感謝の気持ちがいっぱいになりました。
ソバの研究30年の貫禄がにじみ出ていて、素晴らしい時間でした。

物事の始まりには行動が第一であろうが、その発展には研究者の存在が第一だと思う。蕎麦界においても然りである。
しかしながら、大西先生のお話によれば、50年研究を続けても日の目をみなかった人はたくさんいる。それでも研究は続けなければならない。
だからこそ、われわれが研究者を応援する気持をもつことがなにより大事だろう。そういう意味でも、先日のセミナーにご参加いただいた皆様のご関心の高さに敬意を表する次第である。

〔文・絵 ☆ 江戸ソバリエ協会 理事長 ほしひかる