第一人者が語る 【 日本の糖質制限食品の歴史⑦ 】

     

~私が日本へ糖質制限食品・お菓子を持ち込んだ第一人者です~

 

アメリカのバージニア州で会社を設立して日本の糖尿病患者さんやダイエット中の方へ糖質制限の食品を個人輸出という形でお届け出来るようになり、口コミやお客様からの紹介の凄さを実感している頃、

 

日本では、知人の広告代理店の社長さんが、中部地区でとても有名な大手企業の社長さんに私の糖質制限食品の話をして下さり、
「是非、弊社が日本での販売総代理店として日本に仕入れて大々的に販売したい」とおっしゃっていると連絡を頂きました。

その後、私が日本へ一時帰国の際に商談をさせて頂き2004年、契約を交わすことが出来ました。

 

今までの個人へ向けのビジネスから多くの日本の方に向けてのビジネスが始まる!

もっともっと多くの糖尿病患者さんやダイエット中の方に
『食べることへの罪悪感を無くして食べてもらえる』商品を提供できる!!

 

アメリカのように、数年後の日本でも、コンビニやスーパーなど、どこでも気軽に糖質制限の食品やお菓子が購入できるような世の中になっていたら・・・・

私がそんな市場の土台となれたら・・・・!!

と強い夢と気持ちを胸に、新たな扉が開かれた感じでした。

 

日本の大手企業と契約を交わして、食品をアメリカから輸出し販売することに対して、

海を越えたアメリカと日本での時差により即座のメールのやり取りや電話対応は難しい。

日本のビジネリズムは、早い対応が求められる。

食品なので、異物混入や何か問題が生じた時に、どう対応すればよいのか?

・・・・といろいろと考え、

日本に帰国することを決めました。

 

アメリカの大学は中途半端になるけど・・・

日本の多くの糖尿病患者さんやダイエット中の方が糖質制限食品・お菓子を待っているはず・・

 

2004年9月、アメリカから日本に帰国
同時に、日本で有限会社Healthy Sweetsを設立
アメリカのビジネスを日本に移行して続行する準備を完了!

 

初めての大きな輸入販売に向けて、名古屋税関に輸入相談に行きました。
(出身は名古屋で、2年半前に東京に出てくる前までは、名古屋在住でした)

 

輸入相談で、商品の説明書類を提出して話を進めていくと、税務官から

「素晴らしい商品ですね。私の両親も糖尿病なので、このような商品はすごく必要だと思います。でも、う~ん。少し待ってて下さい。」

と言って、仕切られている相談コーナーから出て行かれ、約20分後に、分厚い本のような資料を何冊も持って帰って来ました。

税務官:「いろいろ調べてみたんですが、これらのお菓子は、『砂糖不使用なんですよね?』『砂糖を一切使っていないんですよね?』」

と商品の原材料資料を確認しながら、分厚い本をめくりながら何度も何度も私に確認してきました。

税務官は、厚生労働省にも直接電話を掛けて相談・確認していました。

 

税務官:「髙森さん。う~ん。これらの商品、残念ながら輸入出来ません。」

私:「えっ???輸入出来ないって???」

税務官:「クッキー類、キャンディー類、チョコレート類は、全て『砂糖菓子』の部類に入るんです。でも、髙森さんが輸入しようとしているクッキー類、キャンディー類、チョコレート類は『砂糖を一切使っていない菓子』なので、この『砂糖菓子』の部類に入らないんですよね。・・・・」

私:「部類、項目にないと輸入出来ないんですか?」

税務官:「はい。出来ないです。輸入商品は、全て部類に分けられてて、それぞれ税番号が与えらるので、輸入出来ますが、税番号が与えられない、いわゆる、部類、項目が無い商品は輸入出来ないです。過去に輸入例もないですし。」

私:「えっ・・・・・(絶句)」

驚きと同時に、心で叫んでました。『今になって・・・・・輸入出来ないってあり得ない!!』
もうどうしたらよいのか?頭の中真っ白でした。

 

ビジネスとし今まて動いて来たのに・・・・

アメリカ・カナダの3社と日本での販売総代理店の契約締結しているのに・・・・

アメリカから日本に帰ってきたのに・・・・・

既に、日本の大手企業と販売契約締結しているのに・・・・・

ここに来て、輸入出来ないなんて・・・・・・・

あり得ない・・・あり得ない・・・・あり得ないよーーーーーっ・・・・・

 

そんな私の絶望感を感じた税務官が、

「髙森さん、もう一度、しっかりと時間をかけて調べてみますので、来週また名古屋税関に来てくれませんか?時間下さい。」

と言って下さいました。

 

こういう時の一週間って、重く・長く感じるんですよね。

 

一週間後、再度、名古屋税関に輸入相談の続きとして行きました。

税務官:「髙森さん、やはり『砂糖を一切使用していない菓子』は『砂糖菓子』の部類に入らないので、今の現状は輸入出来ません。」

私:・・・・・・・・・(撃沈中)

税務官:「でも、髙森さんの輸入したい商品は、今後の日本にとって必要な商品だと思います。多くの人が、これらの商品を待っていると思います。だから、ちょっと面倒ですが、『事前教示』を出しましょう!!

私:「事前教示????」

税務官:「『事前教示』を提出して、これらの商品がどの部類に入るのか?どの税番号を与えて頂けるのか?を厚生労働省に確認してもらいます。もし、部類が無くても、これらの商品が今後、日本にとって必要だと理解されれば、新たな部類・項目を作って頂き、税番号を付けて頂けます。」

私:・・・・・・・(頭の中を必死に整理中)

税務官:「提出しないと答えは出ません。やってみましょう。私も全面協力します」

と丁寧な説明と強い励ましを頂き、事前教示を行うことにしました。

 

今思い出しても、この税務官が輸入相談役で担当してくれたことに、感謝しかありません。

 

事前教示の書類を完成させる中で、一番大変だったのは・・・・

輸入する商品を製造しているアメリカやカナダの企業に、『原材料配合比(レシピ)』と『製造工程表』を頂かないといけないことでした。

輸入に必要な『製造工程表』は、本当に製造の詳細まで記載しないといけません。

例えば「クッキー」なら、「何ワットのオーブンを使用して、何度で何分焼く」まで記載しないといけませんでした。

 

これらの情報は、起業にとって極秘情報ですよね!

だって、原材料配合比(レシピ)と製造工程表があれば、私がその企業の商品を作ることが可能になります。

ほんの少し、レシピをアレンジしてオリジナルの商品として製造することも可能になります。

企業が努力と年月を掛けて完成した食品・お菓子のレシピと製造工程表をそう簡単に教えることなんて、契約書を交わしても難しいことでした。

 

でも、とても幸運なことに、アメリカに居る時に、私が輸入する商品の製造元としっかりと信頼関係を築けたので、こちらの状況を説明し協力をお願いすると、必要な情報をすべて開示して頂くことが出来ました。

企業様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

そして、製造元のアメリカ・カナダの企業様の協力、名古屋税務官の協力を頂き、無事に事前教示を完成させて、提出。

 

2か月後・・・・・・・・・

 

名古屋税関から電話が掛かってきました!

「髙森さん、新たな『砂糖不使用菓子』の部門を作ってもらえて、税番号を頂けました!!輸入可能です!!」

と、まるで自分のことのように喜んで下さいました。

名古屋税務官の皆様、本当に、本当に、ありがとうございました。

 

私達が日々、百貨店やスーパーで何がげに口にしているワインやチーズ、海外のお菓子etcもこうして輸入されていると思うと、、、、このような裏があると思うと、、、

商品が製造販売されるまでに、どれだけ多くの人が携わっているのか!
『1つ1つの商品にある開発秘話やストーリーや思い』に『販売されるまでのに関わった人の思い』がプラスされていることを、自分の経験で気づかされました。

 

事前教示により頂いた税番号により、2か月後、コンテナに乗って、アメリカから日本の名古屋港に糖質制限食品・お菓子が初めて海を渡り上陸し輸入許可を頂きました。

この時、2004年、日本に初めて糖質制限食品・お菓子が持ち込まれました。

・私が事前教示をして『砂糖不使用菓子』の部類を作って頂き、新たな税番号を作って頂けた
・私が輸入する以前は、砂糖不使用菓子が海外から入って来ていない

 

そう、ここで証明出来ることは

『私が、糖質制限食品・お菓子を日本に初めて持ち込んだ第一人者であること』

その時の事前教示資料は、今でも私の記念としてしっかりと手元にあります。

 

今では、糖質制限の食品がスーパーでもコンビニでも、どこでも気軽に手にすることが出来る世の中になりましたが、

日本に糖質制限食品・お菓子がアメリカ・カナダから海を渡って持ち込まれるまでに、

私、髙森由香の思いと、人との繋がりなどのストーリーが刻み込まれ、

名古屋港から日本の糖質制限食品・菓子の市場の歴史が始まったこと!

を知っている人は、私の周りの一部の方しか知りませんでした。

 

今日、こうして、このブログで皆様にお伝えするまでは。

 

1つの食品に込めた思いが、皆様に届きますように!!

 

こうして今の日本の糖質制限食品・お菓子の市場を1から開拓していくお話しは、次回のブログで!!