キリン「ビールの香味成分を特定するFJWLA」開発

      執筆者:motoe

キリンホールディングス(社長COO:南方健志)の飲料未来研究所(所長:森木博之)は、消費者が感じるおいしさ(官能評価)に影響する重要成分を効率的・網羅的に特定できる嗜好AI「FJWLA/フジワラ(Flavor Judgment for Whole Liking Analysis)」を開発した。 「FJWLA」は、「お客様調査データ×成分分析データ×AI」を統合し、消費者の“なぜおいしいのか”を要因分解してビールづくりに直結させる技術で、「FJWLA」により消費者調査における香味の改善点を成分レベルで特定し、これまで培ってきた醸造家のビールづくりの知見を組み合わせることで、理想とする香味を高精度かつ効率的に実現することが可能。今後、同社では、「FJWLA」の開発を起点に、R&Dから商品開発、市場調査、改善といったサイクルを高速化し、より”お客様に選ばれる”商品開発を進めます。短期的にはビール類をはじめとする飲料領域での実運用を拡大し、中長期的には嗜好データと行動データの連携を深めパーソナライズ化を推進。さらに、今回開発した嗜好AI「FJWLA」を含む一連の嗜好解析技術とデータ基盤を総称して「嗜好プラットフォーム」と位置づけ、そのさらなる拡充・高度化を進めていくとともに、「嗜好プラットフォーム」では、これまで蓄積してきたお客様調査データや成分分析データに加え、今後は市場での購買・リピート情報なども統合し、R&Dから商品開発、市場投入後の改善までを一気通貫で支援する仕組みを実現していく意向だ。具体的には、2026年3月以降に発売するビール類から順次導入し、香味開発の高度化と価値創造を加速するほか、RTDやワイン、清涼飲料などへ段階的に拡張し、キリンの香味開発を一層高度化していくとしている。