第968話 第20期江戸ソバリエ認定式

      2026/03/31  

 
 第20期の江戸ソバリエ認定式がめでたく終了し、43名(女性25名+男性18名)の方のこれからのご活躍が期待されるところです。

 江戸ソバリエは、「宣言」にもありますように、蕎麦、とくに江戸蕎麦を手打ち(手学体験)、蘊蓄(耳学聴講)、食べ歩き(舌学自習)の三方向から理解しようというものです。
 したがいまして、認定されるためには、舌学(食べ歩き)ノートと、耳学・舌学・手学を通゜してどう考えるかをまとめた脳学レポートの提出が条件となっています。
 その結果、舌学最優秀賞・優秀賞は7名の方、脳学レポートの最優秀賞・優秀賞は10名の方を表彰させていただきました。
 また、舌学につきましては、43名の方が、計357店(都内171店、都下16店、千葉県40店、神奈川県38店、埼玉県31店、北関東31店、甲信越23店、他7店)、延べ462店として訪問したことになります。うち都内でもっとも多く訪ねた地区は、千代田区、台東区、墨田区、豊島区、港区でした。
 よく、イベント的なことには経済効果ということがいわれますが、たぶん私たち江戸ソバリエの舌学講座には150万ぐらいの効果はあるのかもしれません。

 さて、今回の認定講座では、幾つかの特色があったと思います。
 一つは、ソバリエには女性が多かったことです。今までは男女半々であり、それでも世間に比べれば多い方だったと思いますが、今回は大幅に差が付いたようです。
 二つは、これまでご夫妻でソバリエという方たちは、東京の奥平様、後藤様、田中様、埼玉の内藤様、前島様、村越様、千葉の佐藤様、広島の前浜様などたくさんいらっしゃいました。これは江戸ソバリエというものが〝好感〟をもたれている証として嬉しく思っていました。
 それに負けないくらい、親子ソバリエさんもいらっしゃいます。これまでに東京の、吉田さんという父・娘ソバリエさん、また脇さまがお二人のお嬢さまとご一緒に認定された母・娘ソバリエさんがおられますが、今年は東京の宮本様のご子息様がソバリエになられましたので、父・息子ソバリエさんが誕生しました。親子というのは時間性がありますから、それだけ江戸ソバリエが〝信頼〟を得られてきた証と、協会としましてはますますの責任を感じるところです。

 その他としまして思うところはレポートの楽しさです。
 「食は感性」といわれながらも、去年までの世間は「これが論文です」調が優れた論文でした。しかし、AIが言われるようになった今年は世間も流れが変わってきたように思います。イタリアの食科学大学はじめ料理学校の入試テストの文章は、論理性よりむしろ受験生の姿が感じられるような内容を求められるようになった、と知人から聞きました。すなわち、「吾、考える故に」より「吾、感じる故に」が大事というわけです。
 そんなことを思っていたとき、レポートを拝読しますと、音楽性を感じるレポートが何本がありました。これは今までになかったことです。
 しかし、歴史を振り返れば、粉挽き歌や、鹿児島・福島の蕎麦唄など、昔の蕎麦は音楽とともにあったようです。
 ですから、いま一度蕎麦と音楽の関係に注視したいと思います。
 1)それは蕎麦打ちのリズムとして使えるのでしょうか、2)あるいは蕎麦の味覚に影響するのでしょうか、3)それとも蕎麦の詩情性を歌うものとして在るのでしょうか。
 この度のレポートには、明らかに1)にチャレンジされた作品がありました。しかし、さすがに2)はありませんでした。3)につきましては、まるで中島みゆきの歌「蕎麦屋」が聞こえてくるような作品がありました。
   といった風ですが、音楽がま再び課題となるのかもしれないという予感をもった次第です。

江戸ソバリエ協会
ほし☆ひかる