日本百貨店協会「10月の全国百貨店売上高概況」発表
執筆者:編集部
日本百貨店協会は10月の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高総額は5,109億円余。10月の売上特徴は4か月連続の前年同月比マイナスであるが、減少幅は0.5%と前年並みに推移した。欧州リスクやタイの洪水など、景気の先行き懸念はあるものの足元の状況は堅調といえる。10月は中旬に夏日を記録するなど不安定な天候によって、一部季節商材が苦戦する場面もあったが、気温低下とともに主力の秋冬物ファッション(衣料品:+0.5%/8か月ぶりプラス)が活発に動き売上を下支えした。また、地方物産展等の各種催事が例年以上に積極展開されたことも集客面でプラス要素となったが、ここ数か月好調を維持してきた高額商材が大都市旗艦店を除き一服したことなどもあって、前年実績には僅かに届かなかった。動向としては先月水準を下げた東北地区が復調(仙台:+9.7%、東北:+5.2%)したこと、名古屋や福岡など一部地域ではプロ野球の優勝セールが活況であったこと、訪日外国人市場が引き続き回復傾向を強めている(売上高:-5.4%、買上客数:-19.2%)こと、などが報告されている。